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このたび、森本幸裕 名誉教授(京都市都市緑化協会理事長)が令和7年(第19回)「みどりの学術賞」を「景観生態学的研究を基盤とした都市における自然再生」に関する功績により、受賞することになりました。
「みどりの学術賞」は、「みどり」についての国民の造詣を深めるために、国内において植物、森林、緑地、造園、自然保護等に係る研究、技術の開発その他「みどり」に関する学術上の顕著な功績のあった個人に内閣総理大臣が授与するものです。
森本名誉教授は、都市の自然を再生し、人と生物に快適な環境を形成する視点から、京都において都市緑地の規模・分布と生物の分布の関係を分析し、景観構造が生物種に与える影響を明らかにしました。また、都市に形成された緑地を長期間にわたりモニタリングし、都市内に再生された緑地の管理手法を提言したほか、都市型洪水の緩和と生物の生息環境の改善のため降雨を地中に浸透させる「雨庭」の整備を提案し、実現に尽力しました。さらに、日本景観生態学会長を務めるほか、日本・韓国・台湾の複数の自然再生関連学会の連合体「Landscape and Ecological Engineering 国際コンソーシアム(ICLEE)」を設立し会長を務めるとともに、名古屋での生物多様性条約締約国会議時に開催された「都市と生物多様性会議」の共同議長を務めるなど、学術推進に尽力しました。これらの成果により、都市における景観生態学の学術研究とともに造園技術の社会実装に大きく貢献しました。
授賞式は、後日開催予定です。