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柳田素子 医学研究科教授が、令和5年度「日本腎臓財団学術賞」を受賞しました。
日本腎臓財団学術賞は同財団が主催する賞で、腎臓学に関し、学術的に多くの方々に認められ、今後なお発展することが期待される研究業績をあげた者に授与されるものです。
柳田教授の研究領域は「腎臓病の進展機構の解明」であり、腎臓病の増悪因子を複数同定し、その生体内の機能を解明するとともに、その因子を標的とした治療を提案してきました。さらに腎臓病における線維化や腎性貧血、尿細管再生を担う細胞の起源を同定し、その可塑性の限界を見極めることで、腎臓の修復不全のメカニズムを明らかにしてきました。近年は、ATPのライブイメージングマウスを用いて腎臓病におけるエネルギー動態を可視化するとともに、腎障害後に「三次リンパ組織」が形成することで炎症が遷延し、修復が遅延するメカニズムを解明し、ヒト腎臓病における意義を明らかにしています。
臨床面では、癌と腎臓病の融合領域Onconephrologyの診療と研究に従事し、がん拠点病院21施設からなるOnconephrology Consortiumを設立し、研究成果を発信しているほか、「がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン」改訂委員長をつとめ、2022年に発刊しています。
ほかにも、2004年には日本腎臓学会大島賞を受賞、2013年にはAmerican Society of Clinical InvestigationのElected Memberに選出され、2020年にはベルツ賞(2等賞)を受賞しています。
このような功績を認められ、今回の受賞となりました。
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