ケンブリッジ大学生存リスク研究センター(CSER)との相互学術協定を延長しました

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 総合生存学館(思修館)は、5年前に締結したイギリス・ケンブリッジ大学生存リスク研究センター(The Centre for the Study of Existential Risk:CSER)との相互学術協定を延長しました[1]

 ケンブリッジ大学は世界最古の大学の一つで、「2023年版THE世界大学ランキング」では3位となっています。イギリス伝統のカレッジ制を採用しており、31のカレッジで形成されています。CSERはケンブリッジ大学内の機関であり、2012年に設立、2015年より研究活動を開始しました。人類の生存リスクを研究するため、天文学者のMartin Rees男爵らが中心になって設立されました。

 今回の協定延長に際しては、山敷庸亮 総合生存学館教授がCSERを訪問して覚書に署名するとともに、"Prioritization of Different Kinds of Natural Disasters and Low-Probability, High-Consequence Events - How to prioritize space-based disaster at our "Space Age" and establish "Three-core" concept "(異なる自然災害と低頻度高結果イベントの順位付け、どのように「宇宙世紀」の我々が宇宙起源の災害について検討し、「三つの核心」コンセプトを確立するか)という題目で発表を行いました[2]

 また署名式には、総合生存学館の学生であり、武者修行(国際研修)先候補としてCSERを訪問していた冨田キアナさんも同席しました。ケンブリッジ大学アジア中東学部にて修士号を取得した冨田さんは、今回の協定延長に貢献し、今後の相互交流においても活躍が期待されています。

 総合生存学館は2016年11月、CSERから2名の研究者を招聘して第5回国際シンポジウムを開催しています。同シンポジウムでは、様々な災害リスクに活発な議論が繰り広げられました[3]。また同年12月には、CSERにて開催の第1回国際シンポジウムに磯部洋明 総合生存学館准教授(現京都市立芸術大学)が出席し、発表を行いました。

 その後、2017年10月にRees男爵がSTSフォーラム参加のため来日された際に、総合生存学館・CSER間の協定について話し合いが行われ、(1)双方で共同研究について資金申請を行うこと、(2)共同研究ワークショップを定期的に開催すること、(3)教員の相互交流を推進すること、などで合意しました。2019年5月から2020年4月には、当時、総合生存学館の学生だった関大吉さん(現九州大学学術研究員)が武者修行としてCSERに1年間滞在しました[4]

 今回の協定締結により、(1)双方の大学院生と研究者の交流の促進、(2)共同プロジェクトの推進、(3)成果の出版の推進などが話し合われました。覚書を延長することで、CSER は総合生存学館と、連鎖する自然リスク、コミュニティの対応、リスク軽減における宇宙技術の役割など、さまざまなテーマを通じて協力することが可能になります。また、双方の客員研究員や共同イベントから協定を進める予定です。

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左から、Jessica Bland CSER副所長、山敷教授、Rees男爵
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左から、冨田さん、Bland副所長、山敷教授、Rees男爵、Julius Weitzdörfer博士
  1. ケンブリッジ大学生存リスク研究センター(CSER)のサイトでは以下のように紹介されています。
    CSER extends MoU with Kyoto University's GSAIS

    また、本学のホームページで最初の協定締結について以下のように紹介されています。
    ケンブリッジ大学生存リスク研究センター(CSER)との相互学術協定を締結しました。(2018年1月19日)

  2. 主に以下の論文に関する内容を発表しました。
  3. 第5回国際ワークショップに関する情報は以下に公開されています。
  4. CSERのサイトで以下のように紹介されています。
    Centre for the Study of Existential Risk: Daikichi Seki
    また、大学院総合生存学館のホームページで以下のように紹介されています。
    レポート 2019年度武者修行(3)

関連リンク

ケンブリッジ大学生存リスク研究センター(CSER)との相互学術協定を延長しました。(2023年1月17日)