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丸岡啓二 薬学研究科特任教授が第63回藤原賞を受賞しました。
同賞は、藤原科学財団が1960年から授与している賞で、科学技術の発展に貢献した研究者に贈られます。毎年、数学・物理、化学、工学、生物・農学、医学の分野から2名が選ばれており、過去にはノーベル賞受賞者の大隅良典氏、赤崎勇氏、フィールズ賞受賞者の森重文 高等研究院長が受賞しています。
丸岡教授は、重金属触媒の廃棄問題が深刻化しつつある合成化学において金属フリーの有機分子触媒が有効であることにいち早く着目し、重金属触媒を上回る効果的な有機分子触媒の創製に成功しました。すなわち、1万回以上の回転可能でクリーンな環境調和型の有機相間移動触媒としての「丸岡触媒」及び「簡素化丸岡触媒」の分子設計に成功し、医薬合成などに有用な天然型及び非天然型アミノ酸やペプチド類の実用的不斉合成プロセスを確立しました。
工業的見地からも理想に近い「丸岡触媒」及び「簡素化丸岡触媒」は、産業界から多くの注目を集め、国内外での試薬化と共に、ペプチド医薬を指向した各種の人工アミノ酸やペプチド類の大規模な事業化も行われています。学術の進展だけに留まらず、豊かな持続社会の実現に貢献したことが高く評価され、この賞の受賞に至りました。
授賞式は2022年6月17日に東京の学士会館で行われました。
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