本学と株式会社ダイセルは、木材や農水産廃棄物などのバイオマスを高機能な材料や化学品に変換し、その価値を森林の再生や、農水産廃棄物の高付加価値利用に還元することにより、森、川、海、農山漁村、都市を再生し、自然と共生する低炭素社会の実現、新産業創出などに寄与することを目的とした、包括連携協定を締結しました。
さらに本包括連携協定のもと、バイオマスの新しい変換プロセス「新バイオマスプロダクトツリー」実現に向けた研究開発と持続的循環利用を共通テーマとした基礎的研究と研究成果の社会への還元を目指し、本学の農学研究科、人間・環境学研究科、化学研究所、エネルギー理工学研究所および生存圏研究所とダイセルのリサーチセンター間において、包括的研究連携協定を締結しました。
また、国内外の多様な分野から優秀な人材が集い、学術分野、産業界、地域を繋ぐハブとして機能する産学連携共同研究の拠点「バイオマスプロダクトツリー産学共同研究部門」を京都大学宇治キャンパス内に、生存圏研究所、化学研究所、エネルギー理工学研究所とダイセルの共同ラボとして設置しました。
共同研究中の新技術では、木材に限らず、農林水産業の廃棄物からも有益な成分の抽出が可能です。有価で処分される素材を二次産業の原料として活用することで、一次産業の経済性を向上させ、一次産業と二次産業に循環を生む新しい「産業生態系」の構築が可能になります。
この経済循環によって、林業を復活させ森を再生するとともに、山・川・海を含む自然の生態系の回復にも寄与する、という考えである「バイオマスバリューチェーン構想」を、産学官の垣根を越えて、実現に向けて取り組んでまいります。
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