本学と住友林業株式会社は「国際宇宙ステーション(ISS)での木材の宇宙曝露実験」を開始します

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 本学と住友林業株式会社(以下、住友林業)は「国際宇宙ステーション( ISS )での木材の宇宙曝露実験」を開始します。宇宙空間での木材の曝露実験は世界初です。2021年9月に宇宙航空研究開発機構(JAXA)へ試験体の木材を引き渡し12月から約半年間 、国際宇宙ステーション(ISS)で実験します。

 本学と住友林業は共同研究契約「宇宙における樹木育成・木材利用に関する基礎的研究」を締結し、2020年5月より「宇宙木材プロジェクト(LignoStella Project)」をスタートしました 。2023年に木造人工衛星 (LignoSat)を 打ち上げる計画です。電磁波・磁気波は木材を透過するのでアンテナや姿勢制御装置を衛星内部に設置でき、構造を簡素化できます。 また、運用終了後 、大気圏突入時に完全に燃え尽きるので微小物質(アルミナ粒子)が発生せず、よりクリーンで環境に優しい人工衛星の開発につながります。

 今回の実験は「宇宙木材プロジェクト(LignoStella Project )」の一環で 、宇宙空間で木材がどのように劣化するのか、宇宙曝露前後の木材の微細構造の変化等を定量的に分析し、 劣化メカニズムを解析します。本実験を通じて高機能な木材の開発に繋げ、地球での利用拡大に応用します。

 山敷庸亮 総合生存学館教授、土井隆雄 同特定教授が「宇宙木材プロジェクト」の企画および運営を行っています。同プロジェクトには、仲村匡司 農学研究科教授、村田功二 同准教授も参加し、特に村田准教授は今回の宇宙暴露実験の中心的役割を担っています。

国際宇宙ステーション(ISS)での曝露実験を計画している木材試験体(右)とサンプルパネル(左):茶色のフィルムは原子状酸素(AO)評価用のポリイミド樹脂シート
図:国際宇宙ステーション(ISS)での曝露実験を計画している木材試験体(右)とサンプルパネル(左):茶色のフィルムは原子状酸素(AO)評価用のポリイミド樹脂シート

実験の詳細について

宇宙ステーションでの木材の宇宙曝露実験の実施 -宇宙木材プロジェクト(通称:LignoStella Project)-木造人工衛星(LignoSat)の打上げを目指して

関連リンク

山敷庸亮教授と土井隆雄特定教授らが運営・実施する『宇宙木材プロジェクト』がスタートしました。(総合生存学館(思修館)Webサイト)