長尾真 元総長が逝去されました

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長尾真 元総長が2021年5月23日に逝去されました。
ここに謹んでお知らせいたします。

湊長博 総長からの長尾真 元総長逝去に関してのコメント

 長尾真 元総長の訃報に接し、我が国全体のみならず、京都大学にとっても大きな損失であり誠に残念でなりません。京都大学の教職員を代表して心からご冥福をお祈り申し上げます。
 長尾真 先生は第23代総長として平成9年12月16日に就任され、平成15年12月まで6年間、長期的な将来計画に基づき数々の取組を推進されました。
 特に、新キャンパスの実現に当たっては、現在の桂の地に、最先端の研究を行い景観や環境にも配慮した地域社会と協調する開かれた新キャンパスを作り上げるとともに、平成16年4月からの国立大学の法人化に当たっては、国立大学協会会長(平成13年4月~平成15年6月)として円滑な国立大学法人制度への移行に向けて尽力されました。
 また、平成10年4月に大学院アジア・アフリカ地域研究研究科及び大学院情報学研究科、平成11年4月に大学院生命科学研究科、さらに平成14年4月に大学院地球環境学堂・学舎といった従来の学問の枠を越えた先進的かつ意欲的な教育・研究を行う独立研究科を設置するとともに、平成10年4月の再生医科学研究所の設置は、その後のiPS細胞の発見など我が国を代表する優れた成果、また、世界的な研究成果に繋がりました。
 長尾真 元総長は、教育・研究者としても、大型計算機センター長、附属図書館長、工学研究科長・工学部長等を歴任され、情報学という専門分野において優れた研究成果を挙げ、学術の進展に貢献されました。
 総長ご退任後は、情報通信研究機構理事長及び国立国会図書館長等の重職を歴任され、平成9年に紫綬褒章を受章され、平成20年に文化功労者に選ばれ、平成30年には文化勲章を受章されました。
 総長ご退任後も大きな後ろだてとなっていただき、私が総長に就任後も、法人化後の多くの課題を有する大学運営について、多くの貴重なご意見とご指導を賜ってまいりました。これからも様々な分野でご指導・ご支援いただきたいと思っていたところ、このたびの訃報に接し、京都大学の大きな精神的支柱を失ったような痛惜の念でいっぱいです。
 これまでのご指導とご支援に心からお礼申し上げますとともに、ご冥福をお祈りしたいと思います。

令和3年5月26日
京都大学総長
湊 長博