理学研究科附属サイエンス連携探索センター設立記念講演会・記念式典を開催しました。(2019年11月30日)

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理学研究科附属サイエンス連携探索センター(SACRA)の設立記念講演会および記念式典を百周年記念ホールにて開催しました。

設立記念講演会では、「新しい理学分野の創出を目指して」という副題のもと、森前智行 基礎物理学研究所講師が「京都大学における量子情報科学」、中野直人 国際高等教育院特定講師が「京大理学におけるデータ科学を軸とした連携探索と展望」、高橋淑子 理学研究科教授が「SACRAから生まれる学際生物学への期待と可能性」と題した講演をそれぞれ行いました。これらの講演は、量子情報科学やデータ科学といった新しい分野と従来の分野との連携が持つ新分野創出の可能性だけでなく、従来からあった分野同士であっても連携することでブレイクスルーが期待できることを語るものでした。

続く記念式典では、はじめに平島崇男 理学研究科長より挨拶があり、SACRA設立に至る背景や承認までの経緯を述べました。次に山極壽一 総長より祝辞があり、SACRAに寄せる期待について述べました。そして、平野丈夫 SACRAセンター長が、SACRA組織体制と各部門のミッションについて説明し、SACRAを知って活用してほしいと述べました。

続いて山極総長、湊長博 プロボスト 理事・副学長、平井良典 AGC株式会社代表取締役、初田哲男 理化学研究所数理創造プログラムプログラムディレクターをパネリストに迎え、平野センター長をモデレータに1時間半にわたって活発なパネルディスカッションを行いました。まず初田プログラムディレクターから理化学研究所における分野横断的な研究を生み出す仕掛けが紹介され、平井代表取締役は産業界の立場から分野融合研究がベンチャーの立ち上げ、ひいては日本の産業競争力につながること、ただ日本はそれが遅れていることを指摘しました。ベンチャーの話題は学位取得者のキャリアパス、学生がなりたい自分像をもっているか、そして学生や構成員の多様性へと展開し、最後は女子学生、女性研究者をどのようにして増やすか、その方策について議論が白熱するなか終了時刻となりました。SACRAの主要なミッションである分野融合研究の創出のために取り組むべき課題を確認でき、有意義なディスカッションとなりました。

場所を カフェレストラン カンフォーラに移し行われた情報交換会では、理学研究科に関係のある方々とのコミュニケ―ションを深めました。

講演する森前講師

講演する中野特定講師

講演する高橋教授

パネルディスカッションの様子