国際高等教育院では、アジア研究教育ユニットと連携して「東アジアとドイツ学生のための多文化共学短期受入れ留学プログラム2019(通称:京都サマープログラム2019(東アジア+ドイツ)」を実施しました。このプログラムは「ワイルド&ワイズ共学教育受入れプログラム事業」の一環として行われたもので、大学間学生交流協定校である北京大学、香港中文大学、国立台湾大学、延世大学校、ゲッティンゲン大学、ミュンヘン工科大学、ボン大学より、選抜された28名が参加しました。本プログラムは、前身の北京大学学生のための「京都サマースクール」(2012年開始)から数えて8回目の実施となります。2016年度に対象校を東アジアの4大学に拡大、2018年度にはドイツからの学生の受入れを開始、今年度はドイツ3大学の学生を加え、計7大学より学生を受け入れました。
本プログラムは東アジアとドイツの学生が、本学学生と交流しながら、本学の自由の学風および先端研究に触れ、日本の政治・国際関係、文化、伝統、歴史、社会、環境・農業問題などへの理解を深め、日本への長期留学を志すようになることを目的として企画されました。また、本学からも多くの応募者から選ばれた18名の学生がサポーターとして参加しました。これは、サポーターとなった学生と留学生が共に講義を受講したり、プログラムの一部を自らが企画することにより、国際理解の促進、企画運営能力の向上などを期待したものです。
参加学生は4レベルに分かれた日本語講座を受講する一方、英語による講義も受講しました。受講したのは、近藤直 農学研究科教授による「人口90億人時代のためのセンサー技術に基づく食料生産と食品ロス削減」、湯川志貴子 国際高等教育院准教授による「日本古典文学に見る日本人の美意識」、松沢哲郎 高等研究院特別教授による「チンパンジー研究からみた人間の心の進化」、飯田玲子 アジア・アフリカ地域研究研究科特定助教による「高度経済成長と水俣病」の4講義です。
さらに、上記テーマと関連する学外活動として、琵琶湖疎水記念館の見学、日本企業の先端技術と経営を知るための株式会社ナベル及びパナソニックミュージアムの訪問、滋賀県へのフィールドトリップを実施しました。同フィールドトリップでは、彦根城見学、滋賀県立大学を訪問し、後藤直成 滋賀県立大学准教授による講義「Environment of Lake Biwa- Formation of large-scale oxygen-deficient waters」を受講したほか、湖水観察、さらには同大学所有の調査船に乗船し、琵琶湖上実習を行いました。最終日には、それぞれの経験等を踏まえた発表会、そして修了式が実施され、2週間に及ぶプログラムは修了しました。
今後もこのようなプログラムを通して、将来のリーダーを担う学生間の交流が一層盛んになり、日本と各国の相互理解が深まっていくことが期待されます。
関連リンク
- ワイルド&ワイズ共学教育受入れプログラム事業(令和元年度実施)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/international/global_bridge/course_01/wild_wise/index.html