濵西潤三 医学部附属病院講師らが「子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)に対する医師主導治験」を開始しました。

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濵西潤三 医学部附属病院講師(産科婦人科)、萩原正敏 医学研究科教授(形態形成機構学)、万代昌紀 同教授(婦人科学・産科学)らの研究グループは、子宮頸がんの前癌病変である子宮頸部上皮内腫瘍(CIN 1もしくは2)に対する低分子化合物FIT039の有効性と安全性を検討する医師主導治験を開始しました。

子宮頸部上皮内腫瘍(Cervical Intraepithelial Neoplasia:CIN)は、そのほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)に持続的に感染することによって引き起こされる病変です。子宮頸がんは子宮頸部に発生するがんで、我が国での1年間の罹患数は約1万人程度ですが、20~40歳前後の比較的若い年齢層での罹患率が増加しています。

子宮頸がんのうち、子宮頸部の扁平上皮がんは、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)を経てがんになることがわかっています。CINは軽度(CIN 1)、中等度(CIN 2)と高度病変(CIN 3)に分けられます。

そこで濵西講師らは、HPVの増殖を抑える低分子化合物FIT039を用いて、CIN 1あるいはCIN 2を治療することにより、子宮頸がんの予防を目指して医師主導治験の計画を進め、2019年2月に医薬品医療機器総合機構(PMDA)に治験計画届を提出、医師主導治験を開始しました。

左から、濵西講師と萩原教授

子宮頸がんの発がんメカニズムと低分子化合物FIT039の作用機序。
(子宮頸部へのHPVの持続感染によってCIN1→2→3を経て、子宮頸がんに移行する。FIT039はHPVの増殖を抑制することから、CINの治療効果を期待する。)

相談窓口

不明点等は、以下相談窓口までお問い合わせください。なお、2019年6月現在、CINの患者の治験への登録はしていません。

京都大学医学部附属病院 相談支援センター
Tel: 075-751-4748
E-mail: ctsodan kuhp.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください)
対応時間: 9時00分~17時00分(土曜・日曜・祝日、年末年始、創立記念日(6月18日)を除く)
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