吉田寮自治会の「表明ならびに要求」について

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吉田寮自治会が平成31年2月20日に発出した「表明ならびに要求」(以下「表明」という。)は、本学が同月12日に発出した「吉田寮の今後のあり方について」(以下「今後のあり方」という。)への応答であるが、その内容は以下のような問題を含んでいるため、この「表明」をもって、その3.で要求されている「現棟の老朽化対策に関する吉田寮自治会との建設的な話し合いを、早急に再開すること」に応じることはできない。

(1)本学は平成29年12月19日に決定した「吉田寮生の安全確保に関する基本方針」から、吉田寮現棟が一刻の猶予も許されない危険な状態にあることを再三にわたり指摘してきた。しかし、「表明」の2.では、本学が二つの条件に「合意」した場合に「本年5月末を目途として現棟における全寮生の居住を取りやめる」としており、現棟の危険性を吉田寮自治会が未だに真摯にとらえてはいないと言わざるを得ない。

(2)吉田寮自治会が「表明」の 2. で現棟からの退去の前提としている条件のうちの一つは、「清掃や点検といった吉田寮自治会による従来通りの現棟の維持管理を行うこと」である。この条件は、寮生が現棟での居住を取りやめた後も引き続き危険な建物に立ち入ることを意味しており、(1)に記載の見解から、この条件を認めることはできない。

(3)吉田寮自治会が同じ「表明」の2.で提示しているもう一つの条件は、「安全性の担保されている吉田寮食堂の継続使用」である。しかし、「今後のあり方」(ウ)で言う詳細の検討において、旧食堂棟の使用のあり方も検討の対象とすることはあり得るとしても、旧食堂棟の継続使用を危険な現棟からの退去の条件とすることは、受け入れられない。

(4)「表明」は現棟からの退去後に全寮生がどこに居住するのかについて、まったく言及していない。すなわち、吉田寮自治会は、「今後のあり方」(イ)の(1)で本学が示した新棟居住のための条件を認めて新棟に居住するのか否かについて、何らの意思表明もしていない。「表明」では、新棟の適切な管理のための最低限の条件として本学が決定した「今後のあり方」(イ)の(1)への態度が不明なままである。

(5)吉田寮自治会は、「今後のあり方」(イ)の(1)への態度が不明なままの状態で、「表明」の1.で「2019年春季の入寮募集について、現棟に関しては実施しません」として、新棟について新たに入寮募集を行うことを示唆し、現に入寮募集を実施している。これは本学の「今後のあり方」に反しており、信頼関係回復には程遠い。

本学は、吉田寮に居住する寮生諸君に、直ちに現棟から退去すること、そして「今後のあり方」に真摯に対応することを求める。

なお、吉田寮の今後のあり方の詳細の検討にあたっては、本学は、「今後のあり方」(イ)の(1)を満たして新棟に居住し、責任ある自治に基づき共同生活の運営を行う意思のある寮生と話し合いを行う。

平成31年3月13日
厚生補導担当副学長 川添 信介

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