池田華子 医学部附属病院准教授、辻川明孝 医学研究科教授、長谷川智子 同研究員らの研究グループは、眼の難病である網膜色素変性に対する分岐鎖アミノ酸製剤の進行抑制効果を検討する医師主導治験を2019年3月1日に開始することになりました。
網膜色素変性は、網膜の視細胞という細胞が変性するために、徐々に視野が狭くなり、視力が低下する疾患です。進行を予防する有効な治療法がなく、国内における中途失明の第3位の原因疾患になっています。患者数は国内で3万人程度と推定されています。
本研究グループはこれまでに、分岐鎖アミノ酸が、網膜変性モデルマウスにおいて網膜の神経細胞の細胞死を抑制し、進行を抑制することを世界で初めて明らかにしています。分岐鎖アミノ酸製剤は、既に他の疾患の治療薬として国内で長年使用されていますが、眼科疾患への使用は今回が初めてとなります。
医学部附属病院臨床研究総合センターの支援を受け、網膜色素変性患者を対象に、分岐鎖アミノ酸製剤を内服投与し、視野狭窄の進行の程度を検討する、医師主導治験を計画し準備を進めてきました。この度、医学部附属病院の医薬品等臨床研究審査委員会(治験審査委員会)の承認を得て、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に治験計画届を提出し、受理されました。
今回の治験は、治療の無い状態での経過を見る、自然観察研究に参加いただいている患者さんを対象に実施する予定です。
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