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皆さま、新年あけましておめでとうございます。
今年も新年の抱負を一筆したためました。
「火の鳥になって いざ」
今年の干支は酉です。
アフリカの逸話によると、昔、鶏は森の中に住み、猛獣のヒョウも恐れるほど権勢を誇っていました。それは頭に火を燃やしていたからです。しかし、あるときヒョウの子どもが母親と一緒に、昼寝を決め込んでいる鶏にそうっと近づき、頭の炎に触れてみると、なんと冷たいとさかでした。以来、森の動物たちは鶏を恐れなくなり、鶏はヒョウを怖がって人間のもとに身を寄せるようになったというのです。
今年は頭に本当の火を掲げた鶏になって野生をとりもどし、森の中に分け入ってみよう。京都大学の学生、研究者、教職員も野生に戻り、力強く飛躍しようという思いを込めました。
頭にかざした炎で世界を照らす、そんな火の鳥のような京都大学を目指します。
本年も、京都大学をどうぞよろしくお願いいたします。
2017年1月5日 京都大学総長 山極 壽一