京都大学では、北は北海道から南は九州まで、全国各地に数多くの教育研究施設を展開しています。これらの隔地施設は、本学の多様でユニークな教育研究活動の拠点として重要な役割を果たすとともに、施設公開などを通じて、それぞれの地域社会における「京都大学の窓」として親しまれてきました。
隔地施設の活動を知ってもらうため、2016年度も2015年度に引き続き、「京大ウィークス2016」として、期間中、24施設でさまざまな公開イベントを集中的に行い、全国でのべ6,962名の方々の参加がありました。
- 「京大ウィークス2016」開催告知
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/social/weeks/2016.html
「京大ウィークス2016」各施設の公開イベント
北海道研究林 ミニ公開講座「自然観察会」 (10月15日(土曜日))
フィールド科学教育研究センター北海道研究林白糠区では、ミニ公開講座「自然観察会」を行いました。
2016年は25名の応募があり、当日は19名の参加がありました。管理棟にて開会式および概要説明を行い、その後、車で研究林内の遊歩道に移動し、自然観察を行いました。全体を2つのグループに分け、教員・技術職員の解説を聞きながら遊歩道を歩きました。途中、木の実などを使った写真立て作りや丸太切り体験、土壌観察を行いました。アンケートも好評で「参加して良かった」との感想が多く寄せられました。
飛騨天文台 社会人のための「飛騨天文台 自然再発見ツアー」 (10月8日(土曜日)~10日(月曜日・祝日))
理学研究科飛騨天文台では、2泊3日で社会人のための「飛騨天文台 自然再発見ツアー」を開催しました。
当イベントは、2泊3日のツアーのうち、主に最初の2日間を飛騨天文台で過ごすプログラムを用意して実施しました。初日は飛騨天文台での研究活動や、太陽を中心とする天体について解説する講演と、夜間観測用天体望遠鏡の見学を行いました。ただ、天候にはあまり恵まれず、これらの望遠鏡を通して直接天体観測できなかったのは、残念な点です。2日目は太陽観測用望遠鏡の見学と、それらを用いて得られた観測画像や動画を通して、太陽黒点・プロミネンス・フレア爆発、分光スペクトルなどの解説を行い、参加者からは多くの質問が出ました。2夜目はごく短時間でしたが、晴れ間が現れ、街明かりの無い星空を肉眼で楽しむこともできました。当ツアーを通し、普段の生活では疎遠になっている大自然を、科学的視点から眺める楽しさを体験する機会となりました。
霊長類研究所 第26回市民公開日 (10月30日(日曜日))
霊長類研究所では、第26回市民公開日を開催しました。
2016年は10代から70代までの幅広い年齢層から、計82名の来訪があり、研究所周辺の市町村だけでなく、愛知県内や近畿地方からもたくさんの参加がありました。当日は、最新の研究成果についての講演「マカクの進化」の後、チンパンジー施設やニホンザルの放飼場、展示資料室など、研究所内の見学を行いました。参加者は、熱心に見学、質問し、「近くでチンパンジーを見ることができてうれしかった」、「研究所の近くに住んでいるため、どういう施設か知ることができてよかった」などの感想が寄せられました。
信楽MU観測所 信楽MUレーダー見学ツアー2016 (10月8日(土曜日))
生存圏研究所信楽MU観測所では、信楽MUレーダー見学ツアー2016を開催しました。
午前と午後の部を合わせて155名の参加がありました。当日は、研究所の教員による信楽とインドネシアにおけるレーダーを使った大気研究についての講演に続き、MUレーダーおよび各種大気観測装置の見学を行いました。最後に、気球に計測器を取り付けて放球するラジオゾンデ観測の実演を行い、上昇していく気球が見えなくなるまで観察しながら参加者との交流を深めました。参加者からは、「このような立派な施設が信楽にあるとは、全く知らなかった」、「今後の研究が天気予報に役立つことを願います」などの感想が寄せられ、好評のうちに終了しました。
流域圏総合環境質研究センタ- 施設公開 「琵琶湖畔での半日研究体験プロジェクト」 (10月29日(土曜日))
工学研究科流域圏総合環境質研究センターでは、施設公開 「琵琶湖畔での半日研究体験プロジェクト」を開催しました。
このイベントは、当センターの環境問題に関する研究活動を一般の方々に紹介することを目的に、毎年開催しています。2016年の参加者は学生5名、社会人10名の計15名でした。当日は、センター長の挨拶、当センターの概要説明に引き続き、隣の下水処理場に設置してある水質浄化の実験プラントを見学、その後、2班に分かれて、実験棟の見学と実験体験を行いました。実験棟では(1)水質分析、(2)プランクトンの観察を行いました。最後に、ミニ講義と質問コーナーを行い、終了しました。参加者からは、「説明が丁寧でわかりやすかった」、「実験体験が面白かった」、「講義が面白かった」などの感想が寄せられ、好評のうちに終了しました。
生態学研究センター 一般公開「学校で習わない生き物の不思議」 (10月15日(土曜日))
生態学研究センターでは、一般公開「学校で習わない生き物の不思議」を開催しました。
この一般公開は、生き物の暮らし方、生態系や環境問題などに関心を持たれる方々に、教科書に載っていない面白い話題をわかりやすく紹介することを目的に、毎年開催しています。2016年は定員を上回る75名の応募があり、当日は45名の参加がありました。2名の教員が話題提供をした後、当センターが所有するCERの森で自然観察会を行いました。参加者は、沢山の植物やキノコを採取し、生物の生態についての説明を聞きながら観察を行い、一般公開は好評のうちに終了しました。
舞鶴水産実験所 調査船「緑洋丸」の乗船体験と施設見学会 (10月15日(土曜日))
フィールド科学教育研究センター舞鶴水産実験所では、教育研究船「緑洋丸」の乗船体験と施設見学会を行いました。
緑洋丸は、2015年12月に完成したばかりで、最新の航海機器や調査機器を備えています。今回のイベントは、この緑洋丸に体験乗船し、さまざまな機器を実際に使っているところを見学するとともに、底曳き網で舞鶴湾の生物を採集し、観察することを目的に行いました。船には定員があるため、今回は事前申し込み制とし、午前18名、午後19名が乗船しました。まず、乗船前に注意事項の説明があり、全員救命胴衣を着用した上で船に乗り込み、出港しました。船上では航海機器の説明、採水、採泥、水質測定、動物プランクトン採集、底生動物採集のデモンストレーションを行いました。約1時間の乗船体験後は採集物を実験室に運び、分類・観察を行いました。その後、参加者は実験室に展示されている水槽や標本を観察したり、膨大な魚類標本が収蔵されている標本庫を見学して自由に時間を過ごしました。今回は幅広い年齢層の方々が参加し、それぞれの視点でイベントを楽しみました。
芦生研究林 一般公開 (10月22日(土曜日))
フィールド科学教育研究センター芦生研究林では、一般公開を開催しました。
このイベントは、本学の教育・研究環境を公開するとともに、訪問者が、芦生研究林の自然に親しむ機会として開催しました。当日はあいにくの曇り空だったにもかかわらず、81名の参加があり、教員によるガイドツアー、川魚調査体験、サイエンスカフェ、調査用具の展示などを実施しました。参加者には、多彩なイベントを通して自然のすばらしさを学び、またそれを研究する科学者と触れ合う機会となりました。参加者からは、「とても楽しかった、来年もぜひ参加したい」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。
花山天文台 野外コンサート・一般公開・ギャラリーウィーク (10月15日(土曜日)、11月5日(土曜日))
理学研究科花山天文台では、10月15日に野外コンサートを、11月5日に一般公開とギャラリーウィークを行いました。
野外コンサートでは、毎年来られている世界的音楽家の喜多郎氏に加え、舞踏家の三上賀代氏も応援に来られました。秋晴れの満月の空のもと、宇宙のさまざまな映像と喜多郎氏の音楽「古事記」を合わせたDVD「古事記と宇宙」を天文台の建物に映しながら、喜多郎氏の生演奏や三上氏の舞踏が上演されました。一般公開では、宇宙に関する講演や、望遠鏡・観測装置の展示と解説のほか、4次元デジタル宇宙シアター、工作教室などの体験型企画、月・火星の観望なども行いました。ギャラリーウィークとして、若手絵画作家の吾郷佳奈氏と高原秀平氏による二人展「観測のレコード」を一般公開と合わせて行いました。参加者からは、「映像と音楽と星空で宇宙にいるかのような感覚を覚えました」(野外コンサート)、「古くからある施設や設備を大切にされ、今でも活躍させていることに感銘しました」(一般公開)などの感想があり、いずれのイベントも好評のうちに終了しました。
上賀茂試験地 秋の自然観察会 (11月5日(土曜日))
フィールド科学教育研究センター上賀茂試験地では、秋の自然観察会を開催しました。
2016年は定員30名を上回る66組104名の応募があり、当日は23名の参加がありました。概要説明の後、2班に分かれ、教職員の案内で約2kmの観察コースを2時間半ほどかけて散策しました。参加者は散策中の解説に耳を傾け、たびたび質問をしては理解を深めました。参加者からは、「楽しく過ごせ2時間があっという間だった」、「木が生きている、というのをリアルに感じられた」などの感想が寄せられました。
農場 京大農場オープンファーム2016(11月3日(木曜日・祝日))
農学研究科農場において、京大農場オープンファーム2016を開催しました。
「植物とともに、人の未来を考える」を基本テーマとし、公開講座、農場内を巡る農場ツアー(水田・果樹コース、蔬菜・花卉コース)、「イネの収穫」などの農業体験実習、「渋柿の渋抜き」をはじめとする公開ラボの他、各種展示や農場農産物の即売を通して、農業生産に関わる先端的研究、農学教育、実践的農業生産など、多面的機能を有する附属農場の活動内容を公開しました。想定した定員をはるかに上回る1,381名の参加があり、特に農産物の即売や農場ツアーは大盛況でした。公開ラボや農業体験実習の人気も高く、定員はすぐにいっぱいとなり、実験器具展示やポスター展示では来訪者が熱心にスタッフの説明に聞き入っていました。公開講座も講義室が満席となり、参加者は講義に聞き入っていました。
宇治キャンパス 宇治キャンパス公開2016 「 宇治でみつける科学のドキドキ 」 (10月22日(土曜日)、10月23日(日曜日))
宇治キャンパスでは、宇治キャンパス公開2016 「宇治でみつける科学のドキドキ」を開催しました。
このイベントは、宇治キャンパスで行われている科学研究活動の一端を紹介することを目的に、毎年開催しています。毎年足を運ぶ方、初めて参加する方も多数おられ、2016年は3,200名を超える参加者がありました。両日とも、研究所等の教員の講演、研究所紹介の展示スペース、普段は見ることができない研究施設や実験室の公開など、幼児から高齢者まで楽しめる、工夫をこらしたプログラムを用意しました。いくつかの体験コーナーでは、参加者は真剣に実験に取り組み、壮大なテーマから身近にもある研究や発見など、バラエティに富んだいろいろな科学の世界とその奥深さを体験しました。同時開催した「スタンプラリー」も賑わい、たくさんの方が秋の1日を楽しみました。参加者からは、「小学生の子供が毎年楽しみにしている。また是非参加したい」、「地域の子供たちが多く、科学に興味を持ってもらう良い機会だと思うので、ずっと続けてほしい」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。これからも地域に密着したイベントとして続けていきたいと思います。
宇治川オープンラボラトリー 公開ラボ「災害を起こす自然現象を体験する」 (10月23日(日曜日))
防災研究所宇治川オープンラボラトリーでは、公開ラボ「災害を起こす自然現象を体験する」を開催しました。
2016年は混雑を回避するために事前予約制を導入しました。天候にも恵まれ、267名の来場がありました。当日は、体験学習など通して、視覚的・感覚的に水の強さや水害の恐ろしさを体験しました。参加者からは、「小グループで先生方のお話をしっかり聞くことが出来てよかった」、「災害を身近に感じた」、「TVで見聞きしただけの知識とは違う体験が得られた」などの感想が寄せられ、好評のうちに終了しました。
原子炉実験所 アトムサイエンスフェア講演会・実験教室 (10月22日(土曜日)、30日(日曜日))
原子炉実験所では、アトムサイエンスフェア2016として、10月22日に熊取町の煉瓦館において講演会を、30日に原子炉実験所において実験教室を開催しました。
このイベントは、幅広い年齢層の一般の方々に広く科学に興味を持ってもらうために、毎年開催しているものです。講演会には中高生を含む70名が参加し、森本幸司 理化学研究所仁科加速器研究センター 超重元素分析装置開発チームリーダーが「113番新元素の発見」の講演を行いました。質問コーナーでは、たくさんの質疑応答が行われ、予定の時間を超過するほどでした。実験教室には55名の小中学生が参加し、二つの実験と、五つの体験コーナーを行いました。「科学の面白さが深まった」、「家でもやってみようと思った」などの感想が寄せられました。
阿武山観測所 スペシャルプログラム「歴史・文化と最先端。地震観測と減災を学ぼう」 (11月2日(水曜日)、3日(木曜日・祝日))
防災研究所阿武山観測所では、スペシャルプログラム「歴史・文化と最先端。地震観測と減災を学ぼう」を開催しました。
参加者は近畿圏からだけでなく、静岡県や千葉県などの遠方の方もあり、両日合わせて95名の参加がありました。イベントでは、地震観測・地震学の歴史についての特別レクチャーを全6回行い、初代所長である志田順の業績を紹介する特別展示、過去にあった地震の揺れを再現する装置「地震サブトン」の試乗体験など、多彩なイベントを実施し、黎明期から最先端に至るまで、地震学について深く学びました。参加者からは、「震度7の体験をして、自分が何もできないことに気がついた」、「人が大勢いる所での避難の仕方に興味を持った」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。
和歌山研究林 ミニ公開講座 (10月30日(日曜日))
フィールド科学教育研究センター和歌山研究林では、ミニ公開講座を開催しました。
このイベントは、本施設の存在および意義、教育・研究内容を、地域を中心とした一般市民の皆さまに知ってもらうことを目的に、2015年から開催しています。2016年は定員を上回る46名の応募があり、当日は21名の参加がありました。当日は、有田川町清水行政局駐車場に集合し、マイクロバスで林内に向かいました。現地では2班に分かれて、研究林教員および技術職員の解説により、主に標高の高い尾根部で自然観察を行いました。参加者は樹木の種名だけでなく、その生息地など生存戦略の多様性や、木材の資源としての利用と課題に関して理解を深めました。参加者からは、「植物の種類を多く知ることができた」、「講師の博学さに感心しました」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。
白浜海象観測所 観測船を使った海象観測の実体験 (10月8日(土曜日))
防災研究所白浜海象観測所では、公開イベント「観測船を使った海象観測の実体験」を開催しました。
当日は、和歌山県内、大阪府から6名の参加がありました。まず観測所において、田辺湾湾口にある「田辺中島高潮観測塔」および観測船「海象」を用いた現地観測活動を概説した後、実際に観測船に乗って観測塔付近まで移動しました。観測塔の見学を行い、観測塔から戻る途中で水温・塩分濃度の観測体験を実施しました。観測結果については、観測所に戻ってからグラフを描いて説明を行いました。また、観測体験終了後、近隣の方23名を対象とした観測所の見学を行い、観測所の活動概要の説明と密度流に関する模型実験を行いました。
瀬戸臨海実験所 施設見学会 (10月22日(土曜日))
フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所では、施設見学会を開催しました。
このイベントは、瀬戸臨海実験所を知ってもらうため、毎年開催していますが、3年ほど前から、実験所が管理する無人島の畠島見学をプログラムに取り入れ、その自然保護について、理解を深めることも目的としています。当日は、19名の参加者で実施しました。参加者は、白浜・田辺などの地元和歌山県から7名、その他が石川、京都、大阪、兵庫などの他府県から12名でした。当日の午後、まず講義室に集合し、「実験所の歴史と活動」と「畠島の自然保護」について1時間程度講演を行った後、実験所の観測船「ヤンチナ」に乗り込み、畠島へ向かいました。あいにく終日曇り空で、小雨も混じる天候だったため、船による田辺湾見学に切り替え、実験所、田辺湾湾口(本学防災研究所・観測塔)、天神崎、神島などの観察スポットを海上から見学して回り、その後、実験所の水族館を自由見学としました。参加者は、「天候が悪くて、畠島へ上陸できなかったことは残念だったが、船による田辺湾一周の見学は、貴重な体験だった」と喜んでいました。来年もぜひ参加したいとの感想も多数見られました。
潮岬風力実験所 大気観測の実体験 (10月29日(土曜日))
防災研究所潮岬風力実験所では、大気観測の実体験を開催しました。
当日は午前が一般公開、午後は高大連携のイベントとし、午前に39名、午後に18名の参加がありました。3次元超音波風速計や雨量計などの気象測器について仕組みを紹介した後、一体型の気象測器(CWS)を使って風速、気温、気圧の実測や雨量を測るメカニズムなどについてデモンストレーションを行いました。その後、ヘリウムを入れた風船にGPSゾンデ(気温、湿度を測定する機器)を取り付けて高さ16km付近まで上昇させ、上空の大気状態の観測(高層観測)のデモンストレーションを行いました。午後の高大連携イベントでは、午前中と同様に、実験観測施設の見学およびGPSゾンデによる上空観測のデモンストレーションを実施するとともに、気象観測の概説、地域の防災などに関するプレゼンテーションも行いました。
徳山試験地 周南市・京都大学フィールド科学教育研究センター連携公開講座 (10月15日(土曜日))
フィールド科学教育研究センター徳山試験地では、周南市との共催により、周南市・京都大学フィールド科学教育研究センター連携公開講座を開催しました。
周南市、山口市、光市から24名の参加がありました。今回のイベントではまず、現在の徳山試験地にある「ふるさと文化財の森(ヒノキ人工林)」で、原皮師(もとかわし)の大野浩二氏(全国社寺等屋根工事技術保存会)を招いて、檜皮採取の実演を見学しました。その後、1966(昭和41)年に移転する前の旧京都大学演習林があった西緑地を歩き、当時集められた国内外の樹木などを、みどり案内人の2名が案内・解説しました。参加者からは檜皮採取の作業を間近に見て、「歴史を感じました」、「日本固有の文化に触れて、古の人の知恵に頭が下がりました」など、感嘆の声が寄せられました。また、西緑地では身近なところに自然があることを実感しました。
徳島地すべり観測所 施設公開と地すべり・活断層の野外見学 (10月15日(土曜日))
防災研究所徳島地すべり観測所では、施設公開と地すべり・活断層の野外見学を開催しました。
四国の風土に密接に関連した地すべりの実態、およびわが国を代表する活断層である中央構造線による地形変化などを理解してもらうため、2015年に引き続き、2016年も開催し、当日は11名の参加がありました。まず、徳島地すべり観測所に集合し、パネルなどにより観測所を説明し、四国の地質・地形および地すべり分布図を紹介した上で、ボーリングで抜き取ったコア試料を用いて、地すべり土塊の特徴を解説しました。その後、長期かつ高密度で地すべり計測を行っている西井川地すべり地において、地すべりの地質・地形・変動特徴を紹介し、種々の地すべり観測機器を説明した上で、リアルタイムで観測した微動、および参加者のジャンプで起こした地震動の観測・解析を行いました。 最後に、中央構造線による池田町における地形変化、および断層露頭を見学しました。参加者は、研究内容や体験内容について熱心に質問し、大学の研究者と積極的に対話をして交流を深めました。また、参加者からは、「色々と体験できて、本当に勉強になりました」、「自分が住んでいる町に大学の観測所があり、地すべりの研究がされていることを今まで知らなかったので、驚きました」、「来年にも是非家族と一緒に参加したい」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。
地球熱学研究施設 施設公開・講演会・地獄ハイキング・ライトアップ (10月28日(金曜日)~30日(日曜日))
理学研究科地球熱学研究施設では、10月29日に施設公開と公開講演会を、30日に地獄ハイキングを、また28日と29日の両日に登録有形文化財建物のライトアップを実施しました。
施設公開では、水や温泉、大分・別府の地質と災害、4次元デジタル地球儀(ダジックアース)に関する展示とその説明、屋外実験・体験を行い、168名の参加がありました。参加者は、展示や説明に熱心に耳を傾けました。また、公開講演会では多くの質問がありました。地獄ハイキングでは、地質や温泉の説明を聞きながらの散策に、「変化に富んだコースで楽しかった」などの感想がありました。
幸島観察所 公開講座「幸島ニホンザルの観察会」 (10月29日(土曜日))
野生動物研究センター幸島研究所では、「幸島ニホンザルの観察会」を開催しました。
当日は14名の参加者が集まり、午前は島に渡って解説を交えながら、イモ洗い行動の観察を行いました。目の前でニホンザルがイモを洗う様子に、参加者から驚きの声が上がっていました。また、島内を散策し、サルたちが本来生息している環境を体験しました。午後からは教員と技術職員によるニホンザルについての講義を行い、活発な質疑応答が行われました。参加者からは、「イモ洗い行動を見る事ができてよかった」、「アットホームな雰囲気でよかった」などの感想が寄せられました。
桜島火山観測所 施設探検ツアー・施設公開 (10月22日(土曜日)、23日(日曜日))
防災研究所桜島火山観測所では、10月22日、23日に施設探検ツアーを、2日目の23日には施設公開を行いました。
毎年行っているイベントで、例年天候に恵まれていましたが、初めて両日とも悪天候でした。施設探検バスツアーには、2日間で78名が参加しました。2016年7月に完成した高免観測坑道に入っての観測機器と観測坑道の役割についての説明では、参加者から多数の質問がありました。水管傾斜計および伸縮計の坑道内観測機器の全公開は、今回が初めてということもあり、参加者は坑道内を熱心に写真に収めていました。施設公開では、大正噴火時から現在の噴火までの写真、映像、開所当初から行っている煤描き地震記録装置、噴火予知をする最新データ処理装置の解説、火山灰ライダー観測装置のレーザー光線実射が好評でした。