2015年度に続き、次世代グローバルワークショップを開催しました。同ワークショップは、グローバルCOE(親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点)の活動を引き継ぎ、本学アジア研究教育ユニット(KUASU)が実施している事業です。第9回となる今回は「アジアとヨーロッパにおける文化越境のダイナミクス: 移動・交渉と変化(Transcultural Dynamics of Asia and Europe: Mobility, Negotiation and Transformation)」をテーマとして行われました。
現在、本学とハイデルベルク大学Centre for Transcultural Studies(HCTS)との国際連携文化越境専攻(修士課程)における共同学位の設置申請を予定していることから、文化越境への関心の高まりを受けています。すでに同大学とは2015年10月から、学生交流協定による単位互換制度を発足させ、学生や教員の往来も盛んになっています。
こうした背景から、今回のワークショップは2大学による協働のラウンドテーブルとワークショップの2本立てとしました。ラウンドテーブルではMonica Juneja ハイデルベルク大学教授による「文化越境研究:人文科学における方法論の観点から」と題した基調講演をはじめ、Sophie Roche 同特定准教授、Irina Holca 人文科学研究所講師が講演を行いました。続いて、Introduction to Transcultural Studiesの授業を担当したBjorn-Ole Kamm 学際融合教育研究推進センター特定講師をはじめ4名の教員と学生が、本学で授業を開講した経験に基づいて展望や課題について議論しました。
ワークショップでは世界17の国や地域から、大学院生など33名が報告を行いました。また、大学教員によるコメントも充実し、報告者からは「教員によるコメントが今後の研究を進めるうえで大変役立つ」といった意見が出されました。
2017年度は第10回の開催になりますが、ワークショップの参加者からはナショナリズムや移動についてのテーマを、という希望が出されました。