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臨床教育実践研究センターでは、毎年、深刻化する教育問題への取り組みの一環として、現代人のこころの理解に主眼をおいた公開講座を開催しています。2016年度は、英国精神分析協会訓練分析家・スーパーヴァイザーのジャン・アブラム 臨床教育実践研究センター客員教授を講師として、京都テルサB・C会議室で開催し、心理臨床家や医療従事者、教育関係者、学生など約70名が参加しました。
本講座は、第1部、第2部、指定討論からなり、第1部では、「受胎告知」の場面が描かれた宗教画と、現代の芸術家であるリノ・マノッチの作品が紹介され、それらに共通して描かれているテーマについて解説が行われました。第2部では、精神分析家のウィニコットの母子関係についての理論が紹介された後、第1部で紹介された作品群に表れているテーマと、精神分析をはじめとした心理臨床実践において、セラピストとクライエントとの間に起こっていることの共通性について論じられました。指定討論では、主に実践におけるセラピストとクライエントの関係性について、講演内容を基にさまざまな視点から議論がなされました。参加者からは、「普段にはない視点からの講演に刺激され、考えが深まった。」「講演とディスカッションからさまざまな連想をかきたてられ、臨床実践に役立てていきたいと思った。」などの声が寄せられ、貴重な機会となっていたことがうかがわれました。
本講座は例年参加者から大変好評を得ており、来年度以降も、現代社会の複雑なこころの問題を理解するための視点を一般市民に向けて広く提供できる場となるよう開催していく予定です。
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