再生医療用iPS細胞ストックプロジェクトの加速に向けて海上ビル診療所との連携開始(2016年7月8日)

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iPS細胞研究所(CiRA=サイラ)は、CiRAが進めている再生医療用iPS細胞ストックプロジェクトについて、東京海上グループの提携医療機関である医療法人財団医親会海上ビル診療所(以下、海上ビル診療所)と連携を開始します。

本プロジェクトは、HLAホモ接合体を持つ健康なボランティアの方から採血し、その血液細胞をもとに医療用iPS細胞を作製し保存するプロジェクトです。予め品質の保証されたiPS細胞を保存し、必要に応じて国内外の医療機関や研究機関に迅速に提供可能にすることを目的としています。

HLA(Human Leukocyte Antigen:ヒト白血球型抗原)とは、自分と他人とを見分ける印にあたる遺伝子の集まりです。通常、父方由来のHLA型と母方由来のHLA型は異なりますが、両親からそれぞれ同じHLA型を受けついでいることをHLAホモ接合体と言い、その細胞はより多くの患者さんに移植可能な細胞であると考えられています。

本プロジェクトは、国内で頻度の高いこのHLA型を持つ方から細胞を提供され、臨床応用を踏まえた設備・環境でiPS細胞を作製・評価・保存し、2017年度末までに、日本人の3〜5割をカバーするiPS細胞ストックを構築することを計画しています。

本計画はこれまでも続けてきましたが、細胞採取(採血)ができるのは京都大学医学部附属病院でのみであり、遠方に在住の方には協力を得にくい状況でした。

そこで、施設の立地が良く、週末に採血が可能である海上ビル診療所を、iPS細胞研究基金への寄付やiPS細胞の実用化に向けたリスクマネジメントを通じた支援をいただいている東京海上日動火災保険株式会社より紹介され、iPS細胞ストック用の細胞採取(採血)をする体制を充実させることができるものと判断し、今回の提携に至りました。これにより関東地方在住のHLAホモ接合体を持つ方も、協力しやすくなります。

今後、iPS細胞ストックプロジェクト構築を加速させていく予定です。

左より、高須直子 CiRA副所長、山中伸弥 CiRA所長、北沢利文 東京海上日動火災保険株式会社取締役社長、近藤謙二 海上ビル診療所院長

関連サイト

再生医療用iPS細胞ストックプロジェクトの加速に向けて海上ビル診療所との連携開始(CiRA)
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/newslist/news/160708-104500.html

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