「町家de春の京大トーク」を開催しました。(2015年3月20日)

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「歴史に住まう、世界に住まう -平安京:京都の都市史と住まいから、持続的な都市の在り方を考える-」をテーマに「町家de春の京大トーク」を京都市内の町家、ちおん舎で開催しました。

これは、本学の教育・研究の成果を広く一般市民と共有することを目的として、最新の研究成果を書籍の形で社会に発信している京都大学学術出版会との共催により、講演と討論の形で実施したもので、テーマにちなんで町家を会場とし、京都市内在住者を中心に約70名の方に参加いただきました。

当日は山極壽一 総長も来場し、京都大学は世界に通じる「窓」であり、今回のような機会をとおして本学の研究成果を市民の皆様にもひろく活用していただきたいとの挨拶がありました。

前半は、まず西山良平 人間・環境学研究科教授が、「京都の<町>の始まりと移り変わり -西暦1000年前後の平安京を中心に」と題して、平安京における町家の成立過程を中心に講演しました。続いて、高取愛子 工学研究科講師が「京都の「いま」に住まう」と題して、一級建築士でもある自身が設計した、現代の京都における住まいの例も交えながら、京町家の特性、美しさの普遍性や必然性について講演を行いました。

後半は、「歴史に住まう、世界に住まう」をテーマに、まずは布野修司 滋賀県立大学副学長・理事がアジアにおける格子状都市の例も引きながら西山教授、高取講師の講演を総括しました。その後、布野副学長・理事がコーディネーター役となり、平安時代に成立した後、大きく変遷しつつも変わらない町家の特性の一つに、内と外を画然と分けない「空間の濃淡」があること、そうした特性を現代の都市や住まいにどういかしていくかといったような京都の住まいの歴史と特性をめぐるさまざまなトピックについて、講演者に会場の参加者も交えて活発な討論が行われました。

左から、高取講師、西山教授、布野副学長・理事、山極総長

会場の様子