四本の手をもつ金属原子の磁性の変換に成功 -磁気記録、スイッチ素子の革新につながるか-

四本の手をもつ金属原子の磁性の変換に成功 -磁気記録、スイッチ素子の革新につながるか-

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用語解説

ダイヤモンドアンビル超高圧発生装置

数百ミクロンの小さい穴をあけた薄い金属箔に試料を詰め、対向したダイアモンドで挟みこむことにより、大気圧の 100万倍(100万気圧)の圧力を発生させることができます。本研究では、この装置をもちいてメスバウアー測定、電気抵抗測定が日本大学量子科学研究所 で、X線回折測定が東京大学物性研究所で行われました。

メスバウアー効果

原子核から放出するγ線を、物質中の特定の元素(本研究では鉄)と共鳴させることによって、相転移などのマクロな情報だけでなく、特定の元素の価数、配位数、スピン状態などのミクロな情報を得ることができる手段です。

特異なスピン状態

電子1個は2分の1の大きさのスピンをもちます。従来型のスピン転移では、偶数個の電子からは整数スピン状態(2、1、0)のみ、奇数個の電子からは半整数スピン状態(2分の5、2分の3、2分の1)のみしか作り出せなかったのですが、本研究の理論によると、整数、半整数両方のスピン状態を実現 させることができます。

ハーフメタル

金属磁石において、伝導を担う電子のスピンが全て同じ向きをむいている物質のことをいいます。