11月号の「実は!」 では、京大の国際交流の取り組みについてご紹介しました。
留学生ラウンジ「きずな」の月例イベントに参加し、留学生とともに日本文化についてあらためて学んだ広報H。今度は、留学生たち自身について興味が湧いてきました。
「京大の留学生は、どんな国から来ているの?」という好奇心から、「なぜ京大への留学を決めたんだろう?」という素朴な疑問まで・・・
これは、彼らに直接聞いてみるしかない!
ということで、留学生の方に突撃インタビューを行いました。
教科書からは学べないおもしろい文化や、海外から見た京大の良さなど、新発見がたくさんありましたよ~!
留学生をご紹介!
モンゴル出身、ジャルガルサイハン ジャルガルマーさん
ジャルさんは「きずな」で留学生のサポートを行う「チューター」でもあります。お仕事前の貴重な時間を使って、まずはモンゴル文化について詳しくレクチャーしていただきました!
モンゴルの文化を体験!
日本から遠く離れた地、モンゴル。大草原を馬で駆け抜ける遊牧民の姿が目に浮かびます(実は車やバイクで移動する遊牧民がいることを後で知りました)。
その遊牧民文化を肌で感じられるよう、ジャルさんがモンゴル方式でおもてなしをしてくれました!
モンゴルのおもちゃで、童心に返る。
シャガイはおはじきのようなもので、子どもたちが遊ぶおもちゃです。
シャガイ一つにつき面が四つあり、それぞれの面が動物(馬、羊、ヤギ、ラクダ)を表しています!各動物を表す特徴があるそうなのですが・・・
ごめんなさい、さっぱり見分けがつきません。
左から、上の面が馬、ラクダ、羊、ヤギだそうです。面に凸があるのが羊、というように、凹凸が判別のカギなんだとか。
四つのシャガイで一セットですが、遊ぶときはもっとたくさん用意するそう。
日本のおはじきのようにシャガイ同士をぶつけあうゲームや、制限時間内にできるだけたくさんシャガイをつかみ取るゲーム、占いなど遊び方はさまざまだそうです。
今回一セットしかないので実演できませんでしたが、遊びたい方はモンゴルのお土産屋さんへぜひ・・・
モンゴルのお菓子で、アフタヌーンティー。
そろそろお腹が空いて力が出なくなった広報Hを見かねてか、「モンゴルのお菓子、食べますか?」とジャルさん。
ありがとうございます、いただきます!
アーロールにはいろいろな種類があり、花型の可愛らしいもの、ちゃんと噛めるものもあります(笑)。
遊牧民は歯みがきをしなくても、いつまでもきれいな歯をしています。その秘密は、たくさんある乳製品のうちこのアーロールを食べることにも原因があるとか・・・みんな歯が真っ白でしっかりしているそうです。
広報Hもこのアーロールを食べ続ければ、一生歯医者にお世話にならなくて済むでしょうか?(みなさんは、ちゃんと歯みがきをしましょうね)
中には麦粉やナッツのようなものが入っていて、とってもヘルシー。ごちそうさまでした!
馬頭琴(ばとうきん)の生演奏を聴く。
モンゴルの民族楽器といえば、馬頭琴。
みなさん、幼い頃に「スーホの白い馬」という本を読んだことはありませんか?馬頭琴の由来を描いた絵本なのですが、そのあまりにも哀しいストーリー(と衝撃的な挿絵)に、広報Hは子どもながら涙した記憶があります・・・。
ジャルさんが、はるばるモンゴルから持ってきた馬頭琴を演奏してくれました!
馬頭琴の弦は、馬の尻尾の毛を束ねて作られています。そのためかどうか分かりませんが、いろいろな音が混ざっているような、深みのある音色が奏でられていました。モンゴルでは一家に一台ありますが、演奏するより、お守りのように飾ってあることが多いそうです。
遊牧生活の中で生み出された知恵、人々の暮らしに身近な動物の存在など、モンゴル文化の起源を垣間見ることができました。
ところで、ジャルさんは、なぜ京大に留学しようと思ったの?
京大での留学生活についてインタビュー!
「私は元々政治家になりたかったんです。」と言うジャルさん。政策について勉強しているうちに、国の発展のカギを握るのは「 教育 」と「 医療 」だと気づいたそう。
中でも高等教育に着目し、若いうちに海外へ行っていろんな国の教育について学びたいと思うようになりました。
Q.なぜ京大へ?
「日本は礼儀を重んじる国。そこで人間性を高め、成長してきてほしい」
というお母様のすすめもあり、留学先を日本に決めたそう。
「日本語学校に通い、初めは他大学の大学院へ。そこで日本教育史を学んでいたところ、京大に東アジア諸国の高等教育制度・改革について、国際比較の視点から研究している先生がいると知り、熱烈アプローチ!すぐに研究計画を準備し、入試論文を書いて無事に合格しました。」
Q.京大でどんな研究をしているの?
ジャルさんは、教育学研究科で、モンゴルを含む東アジアの地域における高等教育の変化について研究しています。
「他国の高等教育制度について学ぶことによって、 自国の今まで見えなかった、考えられなかった部分に気づいてきました 。高等教育制度・改革について研究することは、自国の教育・社会に対する理解を促進することにつながります。」
実はジャルさんは、2016年6月に京都府名誉友好大使に任命されたそう!府内の異文化理解・国際交流事業などに派遣され、活動しています。
また、京都市国際交流協会のPICNIK(=Program for Inter Cultural Nexus in Kyoto)プログラムに参加し、京都市の小中高等学校でモンゴルの文化や教育についての授業を実施するなど、日本とモンゴルのボランティア交流活動、社会貢献活動も積極的に行っています。
民族衣装を着て小学生と。「大勢の子どもたちにモンゴル文化を教えているうちに、自分もモンゴルのことをより好きに、より理解できるようになりました。」
京都府名誉友好大使とは?
京都府内の大学などに在籍する留学生の中で、大学の推薦を受けた方が任命されます。
研修や視察に参加し京都への理解を深めるとともに、府・市町村などの国際化行事への参加、小中学校などにおける国際理解教育への協力などの活動を通して、京都府の国際化推進を図ります。
▼詳しくはコチラ
京都府名誉友好大使任命事業の概要について http://www.pref.kyoto.jp/kokusai/10100033.html
Q.最後に・・・京大に来て良かったと思うことは?
「京大に来て、とても開かれた大学だという印象を受けました。
留学生の数が多く、みんな触れ合いをとても大事にしています。研究においても広い視野を持っています。
多様な文化・背景を持つ人々と接することで刺激を受けますし、そんな環境で研究できるのはとても恵まれたことだと思います。 」
幼い頃から、自分の軸をしっかりと据え、いろんなことを知りたいという気持ちを追求してきたジャルさん。アルバイト、ボランティアにも積極的に参加し、日本での留学生活をエンジョイしています!
前回の「実は!」でも感じたことですが、国際交流の第一歩は文化の違いに接したときの「気づき」。ジャルさんも、さまざまな国から学生が集う京大での生活を通して、それを実感したと言います。
でも、世界の大学と比べてみると、京大の国際化はまだまだ発展途上。
今後も、地域と連携した異文化交流の促進、留学生が学びたいと思える魅力的な環境づくりに努め、さらなる国際化を目指します!
取材にご協力いただいたジャルさん、ありがとうございました!
次回の「実は!」もお楽しみに!
閲覧にあたってのご注意
閲覧環境によっては、画像や文字が崩れる可能性もあります。その場合は、お手数ですが閲覧環境を変えてご覧いただきますようお願いいたします。