大学にもグローバル化の波が押し寄せ、留学生数、外国人教員数などの数値がますます重要視されてきたこの頃。
もちろん京大も、国際交流を推進する取り組みに一段と力を入れています。
その拠点の一つが、留学生ラウンジ「きずな」。
学生と大学、国と国、人と人を強く結びつける「絆」づくりのお手伝いをしています。
一体どんな取り組みをしているの?国際交流に大事なことって?
今回は、広報Hが留学生ラウンジ「きずな」に潜入し、その答えを見つけてきました!
留学生ラウンジ「きずな」とは?
留学生ラウンジ「きずな」は、京都大学に在籍する留学生の相互交流を促進し、留学生と日本人学生および教職員との交流のためのスペースとして、2002年春に開館しました。
館内には自主学習や語学交換などのできるサロンや日本語学習者用の図書室などがあります。また活動の一環として毎月イベントを開催し、学生に広く参加を呼びかけて交流のきっかけづくりに働きかけています。
留学生ラウンジ「きずな」潜入レポート!
かねてより留学生が活用するラウンジがあると知ってはいたものの、入ったことはなかった広報H。
しかしその門戸は誰にでも開かれていたのです!
「きずな」から始める国際交流、今回はみなさんに代わって広報Hが体験してまいりました。
レンガの赤色に緑色がアクセント。おしゃれなランプもついていて、まるで外国のおうちみたい!
建物に入って左にある部屋がメインルーム。開放感があり、学習に最適なリーディングルームです。
「きずな」の充実設備をご紹介!
まず目に飛び込んできたのが、壁を覆い尽くす本棚。留学生の日本語学習用テキストが並んでいます。授業で使う教科書をはじめ、辞書、日本語能力試験の対策教材など種類が豊富!取材中にも何人か留学生が来て、テキストを借りていきました。
ここで面白いものを発見!
まだ製作途中ですが、「きずな」のチューターさんがポスターを作っているようです。
京大の魅力を留学生に伝えるため、この世界地図を作ることにしたそう。カフェテリア「ルネ」のメニューも、しっかりと宣伝されていますね。
留学生の生活をサポートするスタッフも、「きずな」の魅力!
「きずな」には、現在5人のチューターがいます。全員京大の大学院に在籍し、月曜日から金曜日まで毎日交代で勤務しています。チューターの仕事は、日本語学習教材の貸出・返却手続、イベント申込手続、資料配布、カレンダー作成などさまざま。学期の節目である4月・10月は特に忙しくなるんだとか。ラウンジに来る留学生とのコミュニケーションも、留学生活をサポートする大切な要素になっています。
また、「きずな」スタッフとして他にも職員1名、留学生相談員3名(交代制)が在室しています。日本に来て間もなく、相談できる知り合いがいない・・・という学生さんの強い味方!万全のサポート体制で「きずな」に来る留学生を温かく迎えています。
留学生相談員は、留学生のさまざまな悩みを聞き、適切な対処法や機関を紹介する窓口の役割を果たしています。学生にとってベストな選択肢を提示し、一人一人に合ったきめ細やかな対応をしています。実は、「何が悩みなのか分からない」という学生も多いのだとか。話をするだけでも、心が落ち着いて、事をうまく進められるようになったというケースもあるそうです。
「きずな」という名前には、「 人と人とをつなぐ 」という意味も込められています。「きずな」の活用をきっかけに、留学生の世界が広がるといいな、とスタッフ一同。
「学生限定」の壁に肩を落としていると・・・「日本文化について理解を深めてみませんか?」との声。
なんと、「きずな」が毎月主催するイベントで、日本の伝統文化について学ぶことができるそう!
「きずな」月例イベントに参加!留学生と一緒に、「三味線・長唄教室」を体験!
「きずな」では毎月、イベントを開催しています。「新春書き初め会」や「日本舞踊入門」、「陶芸教室」など、外部から講師をお招きして本格的に日本文化を体験できるイベントが目白押し!
10月は初の「三味線・長唄教室」が開かれるということで、姿勢を正して参加してまいりました。
まずは三味線のキホンから!
三味線は、日本の伝統的な楽器の一つで、室町時代に琉球から渡来した蛇皮線(じゃびせん)を基に、日本人が多くの改良を加え、現在の形になりました。留学生にとってはめったに触れる機会のない楽器ですよね。広報Hも生で見るのは初めてなので、じっくり観察させてもらいました。
レッスンスタート!
定刻になり、教室が始まりました!集まったのは約20名の留学生。中国、ドイツ、マレーシア、ロシアなど、さまざまな国の学生がいましたよ!
まずは、講師のお手本鑑賞から。
講師は、「勘武乃の会」のみなさん。「元禄花見踊(本名題:元禄風花見踊)」という曲を披露されました。この曲は、桜の下で男女がお酒を飲みながら、元禄時代のはなやかな衣装で踊る様子を描いたもの。長唄の中でもとっても有名な曲なんですよ。
これまで京都市国際交流会館で三味線教室をされたことはあるようですが、京都大学で本格的に三味線・長唄を披露する体験教室は初めてだそう!お互いに初めてのイベント、大成功すると良いですね。
次はいよいよ実践タイム!
今回は、三味線チーム、長唄チームに分かれて交代制で練習を行うことに。
三味線チーム
まずは三味線チームの様子から見てみましょう!初めての楽器、みんな上手く弾けるでしょうか・・・?
お題は「さくらさくら」。もちろん譜面は英語です。最初は弾きやすいのですが、「(やよいの)そーらぁは」が難関・・・。けれどもみんなリズム感ばっちりで、すぐに馴染んでいましたよ!ちなみに右上に書いてある「三下り」とは、一般的なチューニング(本調子)より少し下げることを言います。
長唄チーム
さて、一方、長唄チームはどうでしょうか・・・?
ときどき長唄チームの部屋のドアを開けると、元気な歌声が聞こえてきていました。
最後はみんなでセッションにチャレンジ!
チームを交代して全員三味線の練習が終わったら、同じ部屋に集まってみんなで合わせてみます。
短時間の練習とは思えないくらいの完成度にびっくり!
イベントを終えて・・・
今回の企画は「きずな」では初めての試みということで、「うまくいくかなぁ・・・」と心配していたスタッフ一同。
しかし留学生の反応がとても良く、熱心に練習に励んで無事演奏を合わせられたときには、そんな心配もどこへやら!思わず笑顔がこぼれました。(広報Hも感動して全力で拍手していました。)
留学生にとって大切な、友達を作る機会を設けるだけでなく、「せっかくなら日本のことをもっともっと好きになってもらいたい!」「日本でしか得られない体験をしてほしい!」という思いで、毎回「きずな」スタッフはイベントを企画しています。
留学生にとっても、日本の伝統について学び、留学生同士で助け合いながら、合奏を通して一つになれたこと・・・これは貴重な経験だったのではないかと思います。
自国文化と他国文化を比較してみることで、驚きや発見が生まれ、自分の国のことをより理解できるようになる。みなさんもそんな経験があるのではないでしょうか?国際交流の第一歩は、そういった「気づき」だと思います。
日本人京大生のみなさん、特に留学に迷っている方は、ぜひ「きずな」を訪れてみてください。 まずは、京大の留学生と交流してみましょう!
「きずな」から開かれる世界、のぞいてみませんか?
さて、次回は実際に京大で留学生活を送る学生さんに密着し、自国文化を紹介してもらいます!
新しい発見の連続、海外から見た日本像、留学生が考える「国際交流」とは・・・盛り沢山の内容でお届けします。次回もお楽しみに!
留学生ラウンジ「きずな」について、詳しくはこちら!
- 京都大学留学生ラウンジ「きずな」
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/facilities/campus/kizuna/
京大の国際交流についての取り組みをもっと知りたい方は・・・
- 京都大学の国際交流・留学生支援
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/international/ - 京都大学国際教育支援室(IEA)
http://www.jgp.kyoto-u.ac.jp/iea/ - 京都大学国際交流サービスオフィス
https://kuiso.oc.kyoto-u.ac.jp/top/ja
過去の「実は!」でも取り上げています→ 京大の「実は!」Vol.6 京都大学の「国際交流会館の実は!」 - 京都大学国際高等教育院附属 日本語・日本文化教育センター
http://www.ryugaku.kyoto-u.ac.jp/ - 京都大学国際交流サークル International Afternoon Tea(iAT)
https://www.facebook.com/International-Afternoon-Tea-iAT-229412467198277/
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