澤田 拓子
産官学連携担当(非常勤)
メッセージ
2022年10月より産官学連携担当の理事を拝命いたしました。私は京都大学農学部を卒業後、医薬品の開発畑あるいはその周辺に身を置きつつ、グローバル機能の確立や国内外の産官学との連携にも注力してまいりました。現在は関西経済連合会のベンチャーエコシステム委員会委員長ならびにバイオコミュニティ関西の委員長も務め、国内のエコシステム確立を目指しております。
日本の科学技術は、海外と比較しても殆ど遜色のないレベルにまで発展してきましたが、今や複数の領域にまたがる技術を統合し、社会実装していくことを考えなければならず、いかに資金投下してこれを加速させるかが喫緊の課題です。概して日本では、スタートアップやアカデミアに対するキャピタルあるいは官民からの資金流入が少ないことが指摘されているとともに、大きなプロジェクトを牽引できる人材の不足も加速を妨げる要因のひとつになっています。そのため、海外も含めた交流を通じて、専門人材の育成・確保支援を行うことにより、産学連携を推進し、スタートアップの育成、エコシステムの確立に努めてまいりたいと思います。
もうひとつの重要な課題は、出口戦略が強調されすぎて、本来アカデミアが実施すべき将来の基盤となる基礎研究のための資金が減少していることです。特に中長期的視野で社会での活用が期待される基盤研究について、「官」との連携を強化していきたいと考えております。ご指導、ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願いいたします。