文化財登録建築物

現在、京都大学には重要文化財(建造物)として指定されている施設が1施設、登録有形文化財(建造物)として登録されている施設が12施設あります。ここではその重要文化財(建造物)、登録有形文化財(建造物)を紹介しています。

重要文化財(建造物)1施設

清風荘

西園寺公望の私邸として明治末~大正に建てられた近代和風建築であり、昭和19年6月に、庭園とともに住友家より本学に寄贈された。現在は教育、迎賓、会議施設として利用されている。
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登録有形文化財(建造物) 12施設

1. 理学部附属地球熱学研究施設
大正13年、大分県別府市野口原に当時の京都帝国大学営繕課長 永瀬狂三氏の設計により建設。レンガ造りとしては珍しい塔を中央に配置し、洗練されたデザインとして建築的にも高い評価を得る。築70年を超えたところで老朽化が著しくなったことから、本学の歴史的建造物の環境安全と研究環境の改善を図る目的で改修、その後平成9年2月に別府市の推進する地域計画特別賞を受賞。
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2. 人文科学研究所附属漢字情報研究センター
(現 東アジア人文情報学研究センター)
昭和5年建築。外務省東方文化学院京都研究所として建設。鉄筋コンクリート造、外壁スタッコ仕上げで、塔付2階建の西塔と、平屋建の他塔が中庭を囲みロ字形平面を構成する。
スパニッシュ・ミッション様式を基調に外観・内装ともに高密度のデザインが施されている。
設計は武田五一氏と東畑謙三氏。
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3. 文学部陳列館
大正3年建築。京都帝国大学拡張期の代表的建築で、陳列館としての記念碑性格を有する。ブローイングペディメントや楕円形の窓などネオバロックに傾倒しながらも、細部装飾にはセセッション的意匠が認められ大正期建築の特徴をも示している。
京都帝国大学営繕課の山本治兵衛氏と永瀬狂三氏の設計。
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4. 尊攘堂
明治36年建築。この建物は品川弥二郎氏が創設した記念堂に由来する。品川氏の死後、関係資料と建設資金が本学に寄附され、本部構内に新築された。煉瓦造スタッコ塗りで鉄造の玄関ポーチを有し、開口部など平明な意匠で仕上げられており、小堂ながら校内では異色の建築になっている。
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5. 楽友会館
大正14年建築。本学創立25周年記念の同窓会館、。分離派建築会森田慶一氏が設計にあたり、スパニッシュ・ミッションを基調としながら、Y字型の柱に支えられた円みをもつポーチ屋根が破調を与えている。森谷延雄氏による家具とともに内部空調も大正建築の特徴をよく伝えている。
施設案内
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6. 農学部附属演習林旧本部事務室
昭和6年建築。スパニッシュ瓦葺、ベランダをめぐらしたバンガロー風の木造建築で、ベランダ天井の意匠などモダニズムの清新さ溢れる作品に仕上がっている。北部構内の独特の農村的景観形成にも大きく寄与している。京都帝国大学営繕課の大倉三郎氏の設計。
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7. 農学部表門および門衛所
大正13年建築。分離派建築会森田慶一氏の秀作で、通用口の尖頭アーチなど楽友会館と共通するディテールが認められる。ドイツ表現派のモチーフを採りながら、日本瓦を載せた薄い屋根が頂部を明確に水平に区切って節度を与え、全体意匠を品学あるものに仕立てている。
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8. 本部構内正門
本部キャンパスの中枢をなす正門。明治26年、第三高等中学校正門として建設。本部校内で初期を建築物である。門柱は石面と擬石面を交互に重ね、背面に大きな控えをとる。門柱の左右に石造袖堀を付け、西側に通用口を設けている。設計は山口半六氏と久米正道氏。
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9. 総合人間学部正門
明治30年、三高吉田学舎が京都帝国大学に譲渡されるに伴い、新三高キャンパスの正面として建設。木造門柱の両脇に、通用門が付く。大門柱の礎石部と木製柱身部が追掛大栓継ぎで結合される点に特徴があり、門扉は上桟をアーチ状とし、全体で和洋が混在したデザインである。門衛所とともに真水英夫氏の設計と伝えられる。
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10. 総合人間学部門衛所
明治30年、総合人間学部正門と同時に建設。木造、瓦葺、ドイツ下見の平屋建。東面の受付部を八角屋根状に造り、居室部の切妻屋根と組み合わせている。
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11. 理学研究科附属地球熱学研究施設火山研究センター本館
昭和4年、熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽に旧京都帝国大学阿蘇火山研究所として建築。中央部は6階建ての塔状とする外観構成で、外壁の傾斜の付いた壁面、3層のバルコニー、内部はハンチのついた梁、三角錐や円盤状の階段の装飾、径の太い円柱、幾何学的な意匠の暖炉等、外部や内部の意匠等に昭和初期の建築設計の潮流がよく示されている。
野外観測や室内実験など実証的な研究手法を中心に、火山活動など地球の熱的活動に関する総合的な地球科学研究を推進するための研究や教育を行っている。
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12. 東南アジア地域研究研究所図書室本館
明治21年着工、京都織物株式会社本社事務所として建設。設計施工は日本土木会社。産業施設として、事務所棟が施設のゲート的役目を果たす手法が採用されている。また、内部意匠には、石膏プラスターで装飾仕上げを施された天井、木製階段、花と葉の細部装飾を施すなど古典的な意匠を用いたマントルピースなど、明治~昭和初期に至る流行を随所に留めている。
国の文化審議会では、当時の洋風赤煉瓦建築の外観を損なうことなく、明治初期の工場事務所建築が現存している点が評価された。
東南アジア地域研究研究所の図書館として現用されており、建築と学術資料という2つの文化遺産を継承しつつ、京都そして日本における東南アジア研究拠点として活動している。
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