春秋講義は、京都大学における学術研究活動の中で培われてきた知的財産について、広く学内外の人々と共有を図るため、1988(昭和63)年秋から月曜日と水曜日に開講しています。月曜講義はメインテーマをもうけ、水曜講義は講師それぞれが、時宜を得たテーマについて講義を行います。
どなたにもご参加いただける講義で、申込不要、受講料は無料です。
平成21年度 春季講義
月曜講義
メインテーマ: | 「死刑を考える」 |
講義時間: | 各日18時30分~20時00分 (開場18時00分) |
会場: | 京都大学百周年時計台記念館 百周年記念ホール (京都市左京区吉田本町) |
定員: | 500名 |
4月13日(月曜日) |
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4月20日(月曜日) |
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4月27日(月曜日) |
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水曜講義
講義時間: | 各日18時30分~20時00分 (開場18時00分) |
会場: | 京都大学桂キャンパス 船井哲良記念講堂 (京都市西京区京都大学桂) |
定員: | 500名 |
5月20日(水曜日) |
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5月27日(水曜日) |
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6月3日(水曜日) |
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月曜講義と水曜講義の会場が異なります。お間違えないようにご注意ください。
共通要項
受講料: | 無料 |
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申込み: | 不要 (各講義とも先着順) |
問い合わせ先: | 京都大学企画部社会連携推進課 電話 : 075-753-2233 〒606-8501 京都市左京区吉田本町 E-mail : kinen52*mail.adm.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください) |
主催: | 京都大学 |
後援: | 財団法人京都大学教育研究振興財団/京都府/京都市 |
講義の概要
月曜講義 (京都大学吉田キャンパス)
4月13日(月曜日)
「東アジアの死刑 - その歴史と思想 - 」 冨谷 至 教授 (人文科学研究所)
東アジア、とくに古代中国から周辺諸国に伝播、受容された死刑制度は、西洋の死刑とは異なった歴史と思想を有しています。その目的、体系、執行方法、思想などを論じます。今日の死刑存廃の論議は、東アジアの刑罰の歴史背景を理解することなくしてはなりたちません。それはまた東アジアの法文化、法環境を考えることでもあります。なお、講演者の立場は、死刑の廃止、継続に関して、一定の方向を目指したものではありません。
4月20日(月曜日)
「刑罰の目的と死刑の意義 - なぜ人が人を裁けるのか - 」 髙山 佳奈子 教授 (法学研究科)
日本で死刑に賛成する人の割合はどのくらいに上っているだろうか。また、なぜその数値が出ているのか。それは合理的な根拠に基づいているといえるのか。誰もがいつ重大犯罪にかかわることになるかわからない現在、死刑存置論・廃止論のそれぞれの主張に立ち返って、刑罰を科すことの意義を考えてみたい。絶対的終身刑が死刑の代わりになりうるかや、死刑制度の国際的な動向などの「知りたい」点も検討する。
4月27日(月曜日)
「刑事手続の中の死刑 - とくに裁判員制度との関係で - 」 堀江 慎司 教授 (法学研究科)
捜査から起訴、公判、判決言渡しに至るまでの刑事手続の全体像を概観した上で、死刑を含む種々の刑罰がどのような手続を経て言い渡されるのか、特に本年5月から施行される裁判員制度の中で、量刑(具体的な刑罰を決めること)がどのように行われるのか、その手続の仕組みについて解説する。裁判員裁判の対象となる犯罪のうち死刑が定められている事件の種類や事件数、また最近の死刑の言渡し数や執行数の推移についても紹介する。
水曜講義(京都大学桂キャンパス)
5月20日(水曜日)
「iPS細胞の臨床への応用」 中畑 龍俊 教授 (iPS細胞研究センター副センター長)
iPS細胞は京大の山中教授のグループにより最初に報告された画期的な細胞である。皮膚などの分化した細胞に特殊な遺伝子を導入することにより、胚性幹細胞(ES細胞)とほとんど同じ能力を持つ細胞が作成された。この細胞はほぼ無限の自己複製能と多分化能を持つことから種々の臨床応用が期待されている。本講義では、iPS細胞の各種組織への分化および様々な患者さんから作成した疾患特異的iPS細胞を用いた臨床への応用について話す予定である。
5月27日(水曜日)
「消えた反物質 - 小林・益川理論と反粒子実験 - 」 中家 剛 准教授 (理学研究科)
我々の世界(宇宙)は物質からできていて、正の電荷をもつ電子や負の電荷をもつ陽子で作られる反物質は身近には見当たりません。2008年度のノーベル物理学賞を受賞した小林先生と益川先生は、この物質と反物質の間にある違いを、粒子と反粒子の対称性という点から説明しました。近年、素粒子物理学の実験でこの粒子と反粒子の違いが精密に測定され、どのように小林・益川理論が証明されたのかを紹介します。
6月3日(水曜日)
「光速をめぐって - 歴史的意義と先端技術への応用 - 」 北野 正雄 教授 (工学研究科)
光の速度が秒速30万kmであることが測定されたのは19世紀半ばである。
マクスウェルはこれをもとに光の本性が電気と磁気が綾なす波であることを見抜いた。この研究は20世紀の科学技術の源流であり、無線通信、相対性理論などに受け継がれている。近年、量子光学の進歩によって、物質中で光速を自転車なみに減速させたり、静止させたりすることも可能になってきた。光速は時間や長さの基準を定める標準計測技術においても中心的な役割を果たしている。