日英11大学のコンソーシアムであるRENKEI(Japan-UK Research and Education Network for Knowledge Economy Initiatives)の日本側幹事大学として、本学が主催となってウィンタースクールを開催しました。
企画は本学博士課程教育リーディングプログラム「デザイン学大学院連携プログラム」(以後、デザインスクールに同じ)が主に担当しました。本スクールの受講者はRENKEI 加盟大学11大学(京都大学・九州大学・名古屋大学・立命館大学・東北大学・ブリストル大学・リーズ大学・リバプール大学・ニューカッスル大学・サウサンプトン大学・UCL(University College London))から選抜された2名ずつ合計22名の博士後期課程学生とポスドクです。彼らは2013年の7月に行われた英国ブリストル大学でのサマースクールに全員が参加しており、その後もSNSを通じて交流を深め、このたび再度京都に集いました。その他、英国から3名の教員と本学デザインスクール教員がファシリテーターとして参加しました。
スクールの年間を通してのテーマは「Urban Sustainability and Resilience」で、今回のKyoto Schoolでは、日本での、そして京都におけるDesign for Urban Sustainability and Resilienceに関する固有の考え方を学び、これをもとに受講者が、日英比較を行いながら日英混合のグループで討議を重ね、最終的に四つのグループがプロジェクト提案を行いました。また日英の学生同士がより深く知り合う上で、日本の文化や精神について、そして京都大学の歴史や日本の古典文学における和の精神に関する講義を受講したほか、京都市景観・まちづくりセンターや実際の町家(京都市指定有形文化財指定の長江家住宅)の見学と、さらに花柳流師範による日本舞踊や華道家元池坊の生け花の体験・実践学習を実施しました。
開催期間中には、RENKEI加盟の日英11大学からの副学長クラスの代表者が視察に訪れたほか、受講生全員で京都市庁舎を訪れ、門川大作 京都市長を表敬訪問しました。
本スクールの企画に際しては、英国発の博士課程人材教育プログラムとして注目を集めている「トランスファラブル・スキル・トレーニング」について、京都に固有な視点を盛り込み実践することを目指しました。受講生達は、デザイン学を中心に提供されたグループ課題の日英両受講生による異分野協働を実践し、さらには日本の産業界からの代表者との意見交換に基づくビジネスモデルキャンバスの作成を通して俯瞰力を養い、そして日本文化に関わる講義および体験・実践を通して欧米とは対照的なコミュニケーションスキルや、四季の移ろい、花鳥風月に対する審美感覚に触れることができました。異文化・異分野を背景とする若手研究者が互いに知り合い協業を実現して行く上で、互いの社会制度や文化的・精神的バックボーンの差異と共通点の認識が極めて重要となることを実感させられた2週間でした。
授業の様子 | グループディスカッション |
生け花体験 | 日本舞踊体験 |
着物体験 | 門川市長を表敬訪問する様子 |