日時
平成22年8月31日(火曜日) 17時30分~19時00分(開場17時00分)
会場
北洋銀行本店4階・セミナーホール(北洋大通センター内)
〒060-0042 札幌市中央区大通西3丁目7番
TEL: 011-261-1311
定員
150名(先着順)
参加費
無料
申し込み
不要(どなたにもご参加いただけます)
講演内容
「熱中と依存の境界線」
講師: 京都大学医学研究科(精神医学) 村井 俊哉教授
アルコールや薬物に対する依存症は、昔も今も、当事者だけでなく家族や社会にとっても大きな問題であり続けています。ところが最近、この依存症の概念が広がりつつあります。それが「プロセス依存」と呼ばれる状態ですが、買い物、ギャンブル、インターネット、携帯電話でのゲームなど、私たちの日常生活の中での行為に対する依存のことを指します。最近、これらのプロセス依存について、それらが病気といえるのか健康な行動の延長なのかは、専門家の間でも大きな議論となっているのです。寝食を忘れひとつのものごとに熱中することによって大きな成果をあげたスポーツ選手や科学者などを、スポーツ依存症とか研究依存症と呼ぶのはもちろん躊躇しますが、厳密に考えようとすると、健康な熱中と病的な依存との境界線は、紙一重というところがあります。熱中と依存の共通点は何か、また違いはどこにあるのかという点について、脳科学や精神医学の立場からお話ししたいと思います。
「対話の認知科学:こころの未来研究センターの試み」
講師: 京都大学こころの未来研究センター(認知心理学) 吉川 左紀子センター長
京都大学こころの未来研究センターは、「こころ」についての学際的な研究を行う組織として、2007年4月に設立されました。現在、認知科学と臨床心理学、民俗学と心理学、医学と文化心理学など、これまであまり繋がりのなかった学問分野の研究者が連携して20件近い研究プロジェクトを進めています。本講演では、その中から「共感的対話の相互作用性」という研究プロジェクトについてお話しします。これは、熟練のカウンセラーと相談者のやりとりをビデオ映像に基づいて詳細に解析し、「優れた聴き手」の聴き方にはどのような特徴があるかを調べている研究プロジェクトです。経験の浅いカウンセラーや高校教師の聴き方との違いを分析したところ、熟練カウンセラーの対話では、話し手と聞き手の身体動作に同調がみられ、発話量の比率や発話中の「間」に独特の特徴があることが分かってきました。こうした分析を通して、人と人とが「対話すること」のもつ意味について改めて考えてみたいと思います。
問い合わせ先
〒606-8501
京都市左京区吉田本町
京都大学 企画部 社会連携推進課
TEL: 075-753-2233
FAX: 075-753-2286
E-mail: kinen52*mail.adm.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください)
主催
京都大学
後援
財団法人京都大学教育研究振興財団