聴講講義: Kyoto Artisans and their Worlds
- 浮世絵や西陣織、町家といった日本の伝統文化を毎週ひとつずつ学習し、実際に職人さんが働いていらっしゃる工房などを訪問してお仕事の様子を見学させていただきました。私は日本の伝統文化に関する知識がほとんどなかったため、毎週課される読み物や講義を通して、KCJSの学生さん達と同じように少しずつ学んでいきました。また、工房見学で学んだことはすべて新鮮で、毎週職人さんに質問することが楽しみで仕方がありませんでした。中でも一番印象に残っているのは能装束の製作現場で、生まれて初めて大きな織機を目の当たりにし、とても感動しました。4月の講義中には、各自が興味をもった事柄に関して発表する機会が設けられ、皆さんそれぞれが思い思いに、自分のテーマについて発表しました。私は当初、全く知識も興味もなかった浮世絵に、講義を受けてから非常に興味を持ちました。そこでテーマを、浮世絵師である歌川国芳に設定し、浮世絵の歴史や製作過程、歌川国芳についての発表を行いました。
日本の講義とは違い、講義中にはしばしば議論が巻き起こりました。皆さんが活発に意見を交わす姿にとても刺激を受けました。講義自体は、毎週の読み物を読んでいれば楽しく聞くことができました。また、毎週課される工房見学のレポートを書くことによって、見学を通して学んだことを自分なりに整理することができました。(農B4) - 京都の伝統工芸(版画、染物、織物、建築など)について学びました。教室での座学はほんの少しだけで、大部分はField tripで実際に携わっている職人の方々が働かれている作業場などを見学し、お話を伺うというとても実地的な内容でした。英語は普段科学論文を読んで慣れているつもりだったのですが、芸術・工芸の分野は慣れない語彙が多く(「弟子」、「縁起が良い」など)、しっかり読み込むのはとても大変でした。けれども、予習した内容を実際にField tripで見ると感動もひとしおで、少し報われたような気がしました。
また、毎回のField trip後に提出するレポートを作成するときに気づいたのは、予習の出来栄えでレポートの質が大分違う印象があったことです。事前の知識が実際に現場で見学や質問する時に焦点を絞る助けとなっていることを実感しました。終盤の講義ではこれまでのField tripで撮影した写真をピックアップして一枚ずつ振り返る場面があったのですが、何気ない写真でもクラス全体で議論するとどんどん掘り下げることが出来て、日本の大学の講義ではなかなか見られない動的な学びの場、クラス全員で授業を作り上げていく場、という雰囲気を感じました。最後にはクラス全員がそれぞれ興味のある内容について調べた、もしくは体験したことを発表したのですが、院に入ってから学んできたプレゼンテーションの定石でガチガチに固めた私の発表に対して、みなさん自由なスタイルで、かつユーモアのある発表をされていて、とてもよい刺激になりました。
私は樂茶碗というものについて調べて発表したのですが、発表前には実際に美術館で実物をみたり、お店で触ったりして、最後の方は大学院の作業が一段落してから夜中まで準備をする日々が続きなかなか大変でした。うまく発表できるか心配で途中でつっかえるところもあったのですが、準備した甲斐あってなんとか発表内容から話もそこそこに膨らんで、クラスメイトや先生からお褒めの言葉を頂けたので、ほっとしました。(医D2)