聴講講義: Exploring Language and Food in Kyoto
- 毎週英語の論文や言語学・食文化に関する本を一章ずつ授業に備えて読み進めていきました。私は言語学について学ぶのは初めてで、専門的な知識がなかったので、言語学に関する文章を理解することは少し難しかったです。日本の食文化に関しては、前から知っていたことや、指摘されると認識できる内容が多かったので、このトピックの文章は読みやすかったです。客観的に日本を分析した外国人の論文を読むことはとても新鮮で、興味深かったです。(経B3)
- 講義名の通り言葉と食の観点から京都の文化を探るというユニークなこころみ。講義の参加者は自分の好きな食料品店(錦市場の店、八百屋、パン屋などさまざまでした)を選び、その店を定期的に訪れ、そこで実際に使われている言語を視覚的・聴覚的に観察し、考察を加え、最後のプレゼンテーションでの発表を目標に課題をこなしました。講義の前半では主に言語学の観点から文字や、写真・記号などの図がどのようにその意味を伝えるのかという言語の視覚的な側面、また日本語の「内と外」の話し言葉の使い分けという聴覚的な側面を、テキストを使って考察しました。後半では日本の食文化に始まり京都の食文化についてもディスカッションし、教室で学んだあとでフィールドトリップとして実際に現地を訪れてお店の方にインタビューしたり、作業の現場を見せていただいたりしました(今回の講義中に、湯葉、味噌、醤油、和菓子のお店を訪れました)。すべての授業内容が終わった後、最後にそれぞれ自分の観察場所から食べ物を買って持ち寄り、みんなでランチをして京都の味を楽しみました。
講義の進め方は、毎回の授業の準備として30~50ページほどのリーディングがあり、授業中はそれに基づいてディスカッションをするというのが基本的。ディスカッションといっても、テキストにあるセオリーを自分の実際の経験に結びつけて理解するという作業で、そのために些細なことやふと感じたこともみんな気楽に発言していました。また最後のプレゼンの予行演習として、ひとり2回ずつリーディングの内容に関するミニプレゼンが課されました。それに加えて、先に述べた定期的な観察の報告書の提出が4回、中間テストが一度ありました。
KCJSに興味を持ってはいたのだが、ハードルが高そうに思えて参加に踏み切れなかったという友達の声をちらほらと聞きましたし、わたしも参加しようと決めることにそれなりの勇気が必要でした。参加した今は、京都大学のすぐそばで、留学生と同じレベルで授業が受けられる貴重な機会を、敷居が高そうに見えるという理由で見逃してしまうのはもったいないと思います。確かに最初の一カ月ほどは授業についていけないと苦しく思うこともありましたが、先生は丁寧に質問に答えてくださり、学生もわたしのできないところではなくできるところを見て対等に付き合ってくれたので劣等感を感じることはありませんでした。(文B3)