3Dアクションゲームで認知機能の測定に成功―ゲームデザインを応用し、複雑な認知的作業の研究に貢献―

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 小野富大 医学部附属病院民間等共同研究員 兼 BonBon株式会社研究統括、村井俊哉 医学研究科教授、櫻井武 同客員研究員、糟野新一 BonBon株式会社ゲームディレクターらの研究グループは、BonBon株式会社(京都市、CEO:荘子万能)制作の3Dアクションゲーム「Potion」のデータと認知機能1検査の結果を比較し、「複雑なゲームを使って認知機能を多面的に測ることが可能」であることを実証しました。

 近年ゲームの社会応用が注目されていますが、複雑なゲームデザインと科学的な意味づけの両立は難航してきました。本研究では、ゲーム内の「動き回る」「狙う」「隠れる」「当てる」などの挙動データから、「運動機能」「注意力」「抽象思考」「識別力」などの複数の認知機能を測定することに成功しました。ゲームで認知機能を測定する技術には、日常生活により近いタスクの実施を通して認知機能を測れるようになる、従来の検査が難しい子供にも継続的に対応が可能になるなどといった応用が期待されます。

 本研究成果は、2022年7月21日に、国際学術誌「Scientific Reports」にオンライン掲載されました。

 ゲーム「Potion」の紹介動画:https://www.youtube.com/watch?v=ZE_yNkqgLvU

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研究に使われたゲームソフト「Potion」(BonBon株式会社、今年度リリース予定)のゲーム内の要素や、それぞれに与えられた分析上の意味づけを一部紹介。絵:尾﨑由紀(BonBon株式会社)


Potion | Official Trailer | 2022

研究者情報
書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1038/s41598-022-15679-5

【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/275596

【書誌情報】
Tomihiro Ono, Takeshi Sakurai, Shinichi Kasuno, Toshiya Murai (2022). Novel 3-D action video game mechanics reveal differentiable cognitive constructs in young players, but not in old. Scientific Reports, 12:11751.

メディア掲載情報

日刊工業新聞(7月22日 16面)および産経新聞(10月13日 夕刊2面)に掲載されました。