小野寺陽平 複合原子力科学研究所助教は、物質・材料研究機構、バース大学、早稲田大学、東京工業大学、岐阜大学、弘前大学、東京大学、琉球大学、ラウエ・ランジュヴァン研究所、筑波大学、オークリッジ国立研究所、ラザフォードアップルトン研究所、理化学研究所、ノルウェー科学技術大学、産業技術総合研究所、立命館大学、高輝度光科学研究センターと共同で、世界一構造秩序のある永久高密度シリカ(SiO2)ガラスの合成に成功し、その構造を大型放射光施設SPring-8をはじめとする量子ビーム施設を横断的に利用して明らかにしました。
また、ガラスの原子の動き方が密度だけではなく構造にも大きく影響されることを発見しました。そして、パーシステントホモロジーをはじめとするトポロジカル解析により、その構造秩序は、ガラスに存在する原子のつながったリングの形が圧力と温度により変形しつつ形成されることによることをつきとめました。本研究により、ガラスを作る圧力と温度を精密に制御すればガラスの構造を自在に操れることが示され、高屈折ガラスや高強度ガラス、高性能光ファイバーの合成に新たな道を切り拓きました。
本研究成果は、2020年12月23日に、国際学術誌「NPG Asia Materials」誌のオンライン版に掲載され、同誌のトップページに掲載されました。
【DOI】 https://doi.org/10.1038/s41427-020-00262-z
【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/260583
Yohei Onodera, Shinji Kohara, Philip S. Salmon, Akihiko Hirata, Norimasa Nishiyama, Suguru Kitani, Anita Zeidler, Motoki Shiga, Atsunobu Masuno, Hiroyuki Inoue, Shuta Tahara, Annalisa Polidori, Henry E. Fischer, Tatsuya Mori, Seiji Kojima, Hitoshi Kawaji, Alexander I. Kolesnikov, Matthew B. Stone, Matthew G. Tucker, Marshall T. McDonnell, Alex C. Hannon, Yasuaki Hiraoka, Ippei Obayashi, Takenobu Nakamura, Jaakko Akola, Yasuhiro Fujii, Koji Ohara, Takashi Taniguchi & Osami Sakata (2020). Structure and properties of densified silica glass: characterizing the order within disorder. NPG Asia Materials, 12:85.