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石本健太 数理解析研究所 准教授は、流体数値シミュレーションと数理解析によって、バクテリアの「くるくる回る」独楽(コマ)のような運動に潜む力学メカニズムを解明しました。
水回りのヌメリのようなバクテリア集団の形成は、1匹の細胞が壁面境界に付着することから始まります。しかし、バクテリアの壁面付近の振る舞いは複雑で、その解析は非常に困難です。近年、バクテリアが独楽のように回転する現象が注目されていますが、本研究では高精度の流体シミュレーションに加え、新たな流体理論を構築することで、バクテリア独楽が構造の柔らかさを巧みに利用していることが明らかになりました。
本研究成果は、細菌などの微生物の生存戦略の究明や、病原菌の付着を防止する技術開発につながることが期待されます。
本研究成果は、2019年10月10日に、国際学術誌「Journal of Fluid Mechanics」のオンライン版に掲載されました。
詳しい研究内容について
書誌情報
【DOI】 https://doi.org/10.1017/jfm.2019.714
【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/244294
Kenta Ishimoto (2019). Bacterial spinning top. Journal of Fluid Mechanics, 880, 620-652.