すばる望遠鏡超広視野主焦点カメラHyper Suprime-Camで遠方超新星を多数発見

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前田啓一 理学研究科 准教授、安田直樹 東京大学 教授らは、東京大学 、東北大学、甲南大学、国立天文台の研究者と共同で 、ハワイのすばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラHyper Suprime-Cam(HSC;ハイパー・シュプリーム・カム)を用いた半年間の観測により、赤方偏移1以上(約80億光年遠く)の遠方超新星58個を始め約1,800個もの超新星を発見しました。

近傍を含む大量の超新星を発見したことのみならず、遠方超新星を半年間という短期間の観測からこれほどの数発見できたことは、大口径のすばる望遠鏡の集光力と高解像度で広視野というHSCの特徴を合わせた、すばるHSCでの観測の強みが存分に活かされた成果と言えます。

本研究成果は、2019年5月30日に、日本天文学会の発行する「Publications of the Astronomical Society of Japan(欧文研究報告)」のオンライン版に掲載されました。

図:今回発見した超新星の例(3 枚1 組の写真が一つの超新星の変化を示す)。左から順に爆発前、爆発後、超新星の様子を表す。(Credit:N. Yasuda et al.)

詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1093/pasj/psz050

Naoki Yasuda, Masaomi Tanaka, Nozomu Tominaga, Ji-an Jiang, Takashi J Moriya, Tomoki Morokuma, Nao Suzuki, Ichiro Takahashi, Masaki S Yamaguchi, Keiichi Maeda, Masao Sako, Shiro Ikeda, Akisato Kimura, Mikio Morii, Naonori Ueda, Naoki Yoshida, Chien-Hsiu Lee, Sherry H Suyu, Yutaka Komiyama, Nicolas Regnault, David Rubin (2019). The Hyper Suprime-Cam SSP transient survey in COSMOS: Overview. Publications of the Astronomical Society of Japan, 71(4):74.