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山田啓文 工学研究科教授 、小林圭 同准教授、木南裕陽 同研究員らの研究グループは、液中において動作する原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、通常の右巻きDNA(B-DNA)とは異なる特殊な左巻きDNA(Z-DNA)の高分解能構造観察に成功し、さらに左巻きDNAの帯電状態(表面電荷密度)は、右巻きDNAに比べて小さくなることを見いだしました。
本研究により、左巻きDNAの生体内での役割解明が期待されるとともに、AFMを用いることで一分子の中での表面電荷密度のばらつきを直接計測可能であることが明らかとなりました。
今後、AFMの生体分子を利用するバイオセンサや分子標的治療薬の評価への応用が期待されます。また、生体分子同士の結合様式などの解明にも大きく寄与すると考えられます。
本研究成果は、2019年5月2日に、国際学術誌「Scientific Reports」のオンライン版に掲載されました。
詳しい研究内容について
書誌情報
【DOI】 https://doi.org/10.1038/s41598-019-42394-5
【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/241541
Hiroaki Kominami, Kei Kobayashi & Hirofumi Yamada (2019). Molecular-scale visualization and surface charge density measurement of Z-DNA in aqueous solution. Scientific Reports, 9:6851.