本学主催の高校生によるポスター発表「京都大学ポスターセッション2022」を2023年3月18日に百周年時計台記念館国際交流ホールにて実施しました。本企画は、ポスター発表を通じて高校生が日頃の課題探究活動の成果を披露するもので、今回で6回目の開催となりました。
今年は、全国の国公私立33校から76名の高校生が参集し、文系理系あわせて33テーマのポスターが出展されました。参加した高校生は、制作したポスターの前で発表や質疑応答を行ったほか、他校のポスター発表にも熱心に耳を傾け、研究について意見交換を行いました。
表彰式では、本学関係者による審査結果より特に優れたポスター発表を行った3校に対し、優秀ポスター賞の賞状とトロフィーを贈呈しました。最後に、村上章 理事・副学長(高大接続・入試センター長)より全体講評を行い、ポスター発表に取り組んだすべての参加校に賛辞を送り、閉会となりました。
優秀ポスター賞 受賞校
京都市立堀川高等学校
研究テーマ
「重力レンズ効果を再現するレンズの製作と性能評価」
講評
自作のレンズを用いるなど、好奇心に基づいてオリジナリティあふれる研究を行っている姿勢が好印象でした。理論と実験結果を比較し論理的に考察するなど、研究者と肩を並べるレベルのものであると感じました。
受賞校からのコメント
重力レンズ効果は、光線が天体の重力場によって曲げられて観測者に届くことで起こります。「重力とは空間の歪みである」というにわかには信じがたいアインシュタインの予言の正当性を、重力レンズ効果が視覚的に裏付けている。そのことを知ったときの、脳に電流が走ったような感覚は忘れられません。先行研究がほとんどなく、レンズの製作には苦労が多かったですが、そんな中粘り強く続けてきた研究を評価していただき大変嬉しく思います。
広島大学附属高等学校
研究テーマ
「白色ゴーヤーの過熟時の変色に関する研究」
講評
研究対象であるゴーヤーの特性を理解し、実験で得た結果に基づいて、発展的に考察している点を評価しました。さらに、ポスターの構成や解説の分かりやすさも印象に残るものでした。
受賞校からのコメント
この度は優秀ポスター賞を頂き、ありがとうございます。皆様が私の研究に興味を持っていただけたこと、大変嬉しく思います。
研究の遂行にあたりご指導・ご助言を賜りました、県立広島大学の荻田信二郎先生、広島大学の西堀正英先生、網本貴一先生、伊藤文香様、広島大学附属高等学校の井上純一先生、橋本三嗣先生をはじめ、私の研究に協力して下さった全ての先生方にこの場をお借りして感謝申し上げます。
徳島市立高等学校
研究テーマ
「線虫C.elegansに対して忌避効果を示す物質の探索~徳島の名産スダチの秘めた可能性とは…?!~」
講評
ポスターの構成・発表ともに工夫が凝らされており、研究の目的から今後の展望まで、内容や成果を分かりやすく説明している点が大変印象的でした。
受賞校からのコメント
この度は、このような賞をいただくことができ、大変嬉しく思います。生活に応用できる研究をしたいと思い、アニサキスによる食中毒の予防に着目しました。そこで、本研究では、線虫が忌避する物質の探索について徳島のスダチを用いて、研究を行いました。研究をすすめるにあたり、徳島大学の渡部稔先生、九州大学の古賀誠人先生にご指導いただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。今後も徳島の名産スダチの可能性を広げられるよう頑張ります。本当にありがとうございました。