京都大学技術士会第10回大会・特別講演会が、2022年9月10日に京都大学東京オフィスおよびオンラインによるライブ配信で開催されました。京都大学技術士会は、技術士法に制定された技術士資格を有する本学卒業(修了)生および教職員で構成され、会員数は801名(2022年8月末時点)です。本行事は会員への会の活動報告を主目的として年1回開催されているもので、今回は会場とオンラインあわせて約120名の参加がありました。
最初に、大津宏康 会長(工学研究科・1981年修了)の開会挨拶があり、樋口義弘 代表幹事(工学研究科・1984年修了)から当会の活動・決算報告がありました。続いて、2013年の同会設立に際し多大なる支援や尽力をされ、今年、公益社団法人日本技術士会 常務理事を退任された西村文夫 氏(法学部1978年卒)へ、大津会長から感謝の言葉が述べられ、西村氏から挨拶がありました。さらに、来賓の寺沢計二 日本技術士会専務理事(工学部・1982年卒)、田附武志常務理事からも挨拶がありました。
講演会では、はじめに副会長の椹木哲夫 工学研究科長(工学研究科・1983年修了)より「京大工学部の現状と課題」と題した講演があり、工学分野において女性の進出・活躍が大きな課題となっていること、それに対する工学部としての取り組みについての紹介がありました。次に、日本技術士会元副会長で、技術士制度検討委員長として政府提言を取りまとめている中川裕康 氏(工学部・1973年卒)から「新・技術士CPD制度の推進」と題して、昨年から始まった新たなCPD(Continuing Professional Development:継続教育)登録制度についての説明がありました。
続いて、中北英一 防災研究所長(工学研究科・1985年修了)より「地球温暖化影響と適応 -我が国の風水害を中心に―」と題した特別講演がありました。近年、温暖化の影響で雨の降り方が変化し水害・土砂災害が頻発、今世紀末にかけてはさらに極端な現象が深刻になると推測されることと、それらに適応するための「統合的ハザード予測」や、対応策としての「流域治水」についての説明がありました。
最後に、新原雄二 副代表幹事(工学研究科・1993年修了)の閉会挨拶により、閉会しました。