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影山龍一郎 ウイルス・再生医科学研究所教授(高等研究院 物質-細胞統合システム拠点連携主任研究者)および岩井一宏 医学研究科教授が2019年度「武田医学賞」を受賞しました。
同賞は、医学界で顕著な業績を挙げ、医学ならびに医療に優れた貢献を果たした学者・研究者に武田科学振興財団から贈呈されるもので、今回で63回目となります。
贈呈式は、2019年11月12日(土曜日)に東京都内にて執り行われる予定です。
影山龍一郎 ウイルス・再生医科学研究所教授
影山教授の受賞テーマは、「神経幹細胞の制御機構の解明と制御技術の開発」です。
影山教授らは、哺乳動物の神経発生の分子機構、特に神経幹細胞の維持と分化機構を世界に先駆けて解明しました。さらに、神経幹細胞の増殖と分化を制御する光遺伝学的技術を確立し、この技術を応用して成体脳に残っている休眠状態の神経幹細胞を活性化して増殖やニューロン分化を制御することに成功しました。このように、将来の脳・神経再生に向けた基盤技術の開発に成果を上げました。
岩井一宏 医学研究科教授
岩井教授の受賞テーマは「直鎖状ユビキチン鎖の発見とその病態生理学研究」です。
タンパク質がユビキチンで修飾されると分解に導かれると考えられていましたが、岩井教授は分解ではなく、細胞内の刺激伝達系として働く、全く新しい直鎖状ユビキチン鎖とそのユビキチン鎖を特異的に生成する酵素であるLUBACを発見しました。さらに、直鎖状ユビキチン鎖の生成不全、亢進が自己炎症性疾患、リンパ腫の発症、感染制御などに関わることを示しました。 この業績は我が国が世界に誇る真に独創的な研究成果の典型として高く評価され、受賞につながりました。
関連リンク
- 武田医学賞( 公益財団法人 武田科学振興財団Webサイト)
https://www.takeda-sci.or.jp/business/prize.html