公開日
連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」のシリーズ31は、「地球環境と私たちの暮らし - 環境を考える-」をテーマに「京都アカデミアフォーラム」in丸の内で開催しました。
シリーズ31の第2回は、「マイクロプラスチックによる水環境汚染と私たちの生活」と題し、田中周平 地球環境学堂准教授が講演を行いました。
田中准教授は、化粧品や歯磨き粉など、身近な消耗品に含まれるマイクロプラスチックや、海や山など自然環境中に捨てられたプラスチックゴミがマイクロプラスチックとなり、水環境汚染にいかに影響を及ぼしているのかについて、自身の研究成果を基に解説しました。
具体的には、近畿地方の琵琶湖、淀川、芦屋川、大阪湾等の河川や海洋での水質調査結果を紹介し、表層水中でのマイクロプラスチック量や、魚の消化器官中のマイクロプラスチックについて説明を行いました。
講演の最後に、田中准教授は生活の「利便性」の裏側にはプラスチックが多く使われていることを挙げ、環境を維持していくには、わたしたちの生活を今後どのようにしていくべきかを考え直すきっかけとなりました。
来場者からは「マイクロプラスチック問題の現状が理解でき、今後に向けて環境を考える大切さが伝わりました」、「魚などにマイクロプラスチックが入り込んでいる現状を知り、プラスチックや化粧品、スクラブの使用を減らしたい」などの感想が寄せられました。講演後は、参加者による積極的な質疑応答が繰り広げられ、地球環境の知に触れる機会となりました。
関連部局