京都大学では、北は北海道から南は九州まで、全国各地に数多くの教育研究施設を展開しています。これらの隔地施設は、本学の多様でユニークな教育研究活動の拠点として重要な役割を果たすとともに、施設公開などを通じて、それぞれの地域社会における「京都大学の窓」として親しまれてきました。
これらの隔地施設の活動をより一層知ってもらうため、一定期間に集中して公開イベントを行う「京大ウィークス」を2011年度から開催しています。
2018年度も「京大ウィークス2018」として、25施設でさまざまな公開イベントを企画しましたが、「平成30年7月豪雨」の影響を受けて中止となった施設があり、24施設での開催となりました。最終的には、全国でのべ5,666名の方々の参加となりました。
- 「京大ウィークス2018」開催告知
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/social/weeks/2018.html
「京大ウィークス2018」各施設の公開イベント
北海道研究林 ミニ公開講座「自然観察会」 (10月20日(土曜日))
フィールド科学教育研究センター北海道研究林白糠区では、ミニ公開講座「自然観察会」を行いました。
2018年は25名の応募があり、当日は17名の参加となりました。管理棟にて開会式および概要説明を行い、その後、レンタカーで研究林内の遊歩道に移動し、自然観察を行いました。全体を2つのグループに分け、教員・技術職員の解説を聞きながら遊歩道を歩きました。参加者からは、「木によって、繁殖の仕方、年齢の数え方が違ったりなど勉強になり楽しかったです」、「貴重な研究林の中を見学できておもしろかったです」などの感想が寄せられました。
飛騨天文台 社会人のための「飛騨天文台 自然再発見ツアー」 (10月6日(土曜日)~8日(月曜日・祝日))
※ 「平成30年7月豪雨」による飛騨天文台専用道復旧工事のため中止となりました。
霊長類研究所 第28回市民公開日 (10月28日(日曜日))
霊長類研究所では、第28回市民公開日を開催しました。
2018年は10代から70代までの幅広い年齢層から、計59名の来訪があり、研究所周辺の市町村だけでなく、愛知県内や関東、近畿地方など遠方からもたくさんの参加がありました。当日は、「サルの健康を守る -獣医師の仕事-」講演後、ニホンザルの放飼場、展示資料室など、研究所内の見学を行いました。参加者は、熱心に見学、質問し、「とても分かりやすく、良い勉強になりました」、「サルについて、どのように研究しているのかなど、分かりやすかった」などの感想が寄せられました。
信楽MU観測所 信楽MUレーダー見学ツアー2018 (11月17日(土曜日))
生存圏研究所信楽MU観測所では、信楽MUレーダー見学ツアーを開催しました。
午前と午後の部を合わせて117名の参加がありました。当日は、研究所の教員による電波を使った大気研究についての講演に続いて、教員および観測所スタッフによるMUレーダーおよび各種大気観測装置の見学ツアーを行いました。最後に、気球を用いた大気計測手法(ラジオゾンデ)を説明し、来場者と一緒に気球を放球する観測実演を実施しました。上昇していく気球が見えなくなるまで観察し、またリアルタイムで送信されてくる上空の大気情報が表示されるモニターを見ながら参加者との交流を深めました。参加者からは、「このような観測がおこなわれていることを初めて知りました」、「レーダーの実物を間近で見ることができとてもよかったです」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。
流域圏総合環境質研究センタ- 施設公開 「琵琶湖畔での半日研究体験プロジェクト」 (10月13日(土曜日))
工学研究科流域圏総合環境質研究センターでは、施設公開 「琵琶湖畔での半日研究体験プロジェクト」を開催しました。
センターの簡単な紹介ののち、参加者全員で水処理実験プラントの見学を行いました。その後3班に分かれて、水質分析体験、琵琶湖の微生物の観察、分析機器の見学などを行いました。短い時間でしたが、天気も良く、始終和やかな雰囲気でした。参加者からは「少人数の班分けによる見学だったので、話が良く聞けてわかりやすかった」、「毎日使っている「水」の仕組を知れてとても良かった」などの意見が寄せられ、好評のうちに終了しました。
生態学研究センター 一般公開「学校で習わない生き物の不思議」 (10月13日(土曜日))
生態学研究センターでは、一般公開「学校で習わない生き物の不思議」を開催しました。
この一般公開イベントは、生態学研究センターという研究機関とその研究成果を一般の方により広く知っていただくことを目的に、毎年開催しています。2018年は申し込み初日で定員を上回る94名の応募があり、一部の方はキャンセル待ちとして受け付け、当日は68名の参加がありました。当日は、教員による琵琶湖のプランクトンに関する講演や世界中でのフィールドワークで生き物の相互作用を解き明かす研究の紹介を行い、参加者からは講演後も活発な質問がでました。講演後は生態学研究センターの敷地にあるCERの森での自然観察会を行い、教員や大学院生がきのこや虫などの身近な生き物に関する奥深い生態についての解説を行いました。参加者からは、「子供に分かりやすく、楽しく教えてもらえてよかったです」、「毎回新しい内容の話が聞けるのでよかったです。また参加したい」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。
舞鶴水産実験所 緑洋丸乗船とケタ網による生物採集体験 (10月13日(土曜日))
フィールド科学教育研究センター舞鶴水産実験所では、「緑洋丸乗船とケタ網による生物採集体験」を開催しました。
このイベントは、一般の方々に舞鶴湾を取り巻く陸上環境と海底環境、また湾内の海底で生活する生物に触れていただくことを目的として企画しましたが、定員を上回る応募があり、38名が参加しました。当日は、スタッフの紹介に続いて乗船にあたっての注意事項の説明があり、その後緑洋丸に上船しました。船上では水質を計測する機器や魚探など最新の機器の説明とともに、周囲の河川や都市の分布に関する解説をしました。続いて底引き網の一種である「ケタ網」を使って海底上の生物を採集するとともに、彼らが生活する海底の泥を「採泥器」を用いて採集しました。参加者は泥を手にとって感触を楽しんだり、臭いを嗅ぐなど、普段みることのないものを各々に感じている様子でした。また、生物を陸上に持ち帰り、図鑑や顕微鏡を用いて解説を行いました。参加者からは、「子供たちが、海の底からとった土の中から小さい生き物がたくさん出てきたことに驚き、楽しんでいました。大変貴重な経験をしました」などの感想が寄せられました。また、イベント中には多数の質問があり、内容に十分関心を持っていただき、盛況のうちに終了しました。
芦生研究林 一般公開 (10月27日(土曜日))
フィールド科学教育研究センター芦生研究林では、一般公開を開催しました。
このイベントは、京都大学の教育・研究環境を公開するとともに、参加者が芦生研究林の自然に親しむ機会として開催しました。10月としては肌寒い天候でしたが、62名の参加がありました。
当日は、教職員によるガイドツアー、ミニ講義、資料館開放を実施しました。参加者の方々には、イベントを通して自然の素晴らしさを学び、またそれを研究する科学者と触れ合う機会となりました。
参加者からは、「植物のひみつなど解説が楽しかったです。講義もわかりやすくておもしろかったです」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。
花山天文台 応援野外コンサート・ギャラリー・特別公開 (10月20日(土曜日)、11月3日(土曜日・祝日))
理学研究科花山天文台では、10月20日に野外コンサート、11月3日に特別公開と天文台ギャラリーを開催しました。
野外コンサートは、花山天文台応援を目的にしており、今回で6回目となります。世界的音楽家の喜多郎氏に加え岡野弘幹氏を迎え、宇宙のさまざまな映像と喜多郎氏の音楽「古事記」を合わせたDVD「古事記と宇宙」を天文台の建物に映しながら、喜多郎氏の生演奏などを上演しました。
特別公開では、9グループに分かれた参加者は、太陽スペクトル観測、望遠鏡・観測装置の見学のほか、4次元デジタル宇宙シアター、天文台教員らによる講演会などを体験しました。また夜間の見学グループは、火星観望も楽しみました。天文台ギャラリーでは、宇宙や天文台に関係した芸術作品を展示しました。
参加者からは、「澄んだ夜空の下で自らを宇宙と喜多郎の音楽ですばらしい旅をさせて頂きました」(野外コンサート)、「初めての体験で感激しました」「歴史ある花山天文台に初めて来て、興味深いおはなしを聞きました」(特別公開・ギャラリーウィーク)などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。
宇治キャンパス公開2018「宇治で知る・学ぶ・感じる科学 魅力のサイエンスワールドへようこそ!」 (10月27日(土曜日)、10月28日(日曜日))
宇治キャンパスでは、宇治キャンパス公開2018「宇治で知る・学ぶ・感じる科学 魅力のサイエンスワールドへようこそ!」を開催しました。
このイベントは、宇治キャンパスで行われている科学研究活動の一端を紹介することを目的に、毎年開催しています。毎年足を運ぶ人、初めて参加する人も多数おり、2018年は2日間ともに秋晴れの中、2,700名を超える参加がありました。両日とも、研究所等の教員の講演、研究所紹介の展示スペース、普段は見ることができない研究施設や実験室の公開など、幼児から高齢者まで楽しめる工夫をこらしたプログラムを用意しました。いくつかの体験コーナーでは、参加者は真剣に実験に取り組み、壮大なテーマから身近にもある研究や発見など、バラエティに富んだいろいろな科学の世界とその奥深さを体験しました。同時開催した「スタンプラリー」も小さな子供たちに好評で、たくさんの方が楽しみました。参加者からは、「今まで知らなかったことが分かって良かった」、「毎年興味ある催し、実験等に参加でき大変うれしく思います」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。これからも地域に密着したイベントとして続けていく予定です。
宇治川オープンラボラトリー 公開ラボ「災害を起こす自然現象を体験する」 (10月28日(日曜日))
防災研究所宇治川オープンラボラトリーでは、公開ラボ「災害を起こす自然現象を体験する」を開催しました。
今年もWeb事前予約制を導入し、シャトルバスによる送迎を実施しました。好天に恵まれ、246名の来場がありました。当日は、体験学習など通して、視覚的・感覚的に水の強さや水害の恐ろしさを体験しました。参加者からは、「想像以上の自然の力でびっくりした」、「あらためて災害のおそろしさを体感した」、「貴重な体験が出来ました」、「災害時には今回学んだことを活かしたい」、「是非来年も来ます」などの感想が寄せられ、公開ラボは好評のうちに終了しました。
農場 京大農場オープンファーム2018 (11月3日(土曜日・祝日))
農学研究科附属農場において、京大農場オープンファーム2018を開催しました。
「”京大農学部の研究”、市民の方に紹介します」を基本テーマとした公開講座を開催するとともに、農場内を巡る農場ツアー(水田・果樹コース、蔬菜・花卉コース)、農業体験実習「イネの収穫」、公開ラボ「渋柿の渋抜き」、「野菜のビタミンCを調べよう」といった企画と、各種展示や農場農産物の即売、さらに、「農業機械 自動走行デモンストレーション」や京大農場と広島県で共同育成したカンキツの新品種”瑞希”の「試食アンケート」等を通して、農業生産に関わる先端的研究、農学教育、実践的農業生産など、多面的機能を有する附属農場の活動内容を公開しました。
好天にも恵まれ、昨年度を上回る878名の参加があり、特に農産物の即売や農場ツアーは大盛況でした。公開ラボや農業体験実習の人気も高く、事前受付で早々に定員は埋まり、実験器具展示やポスター展示では参加者が熱心にスタッフの説明に聞き入っていました。公開講座も参加者が講義に集中している様子が見受けられ、講義後には活発な質疑も行われました。
参加者からは、「毎回題材が楽しく小学生でも解り易い内容で、素晴らしい企画だと思います」、「トラクターなどの大きい車と写真がとれて子供は喜んでいました。来年もしていただきたいです。来年も参加したいです」などの感想も多数寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。
上賀茂試験地 秋の自然観察会 (11月10日(土曜日))
フィールド科学研究センター上賀茂試験地では、秋の自然観察会を開催しました。
2018年は定員30名を上回る80組139名の応募があり、当日は28名の参加がありました。3班に分かれて、教職員の案内で約2kmの観察コースを2時間半ほど散策しました。参加者からは「土壌と根の関係、そこに生える樹木の違いなど今後歩く時に参考にしていこうと思います」「植物観察の楽しさが良く分かる観察会でした」などの感想が寄せられました。
阿武山観測所 サイエンスミュージアムDAY2018 (11月3日(土曜日・祝日)、4日(日曜日))
防災研究所阿武山観測所では、サイエンスミュージアムDAY2018を開催しました。
2018年は両日合わせて過去最高となる延べ214名の参加がありました。
当日は、観測所の教員や阿武山サポーターと呼ばれるボランティアスタッフによる事前申し込み制の講演を両日とも2回、計4回行いました。また、今年のメインテーマである「地殻変動連続観測」を紹介する展示ブースを開設し、歴史的価値のある工作機械の公開も新たに始めました。
参加者からは「面白い有意義な講演、及び見学会でした」、「貴重な機械も沢山見学出来て楽しめました」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。
複合原子力科学研究所 アトムサイエンスフェア実験教室・講演会 (10月28日(日曜日)、11月25日(日曜日))
複合原子力科学研究所では、アトムサイエンスフェア2018を開催しました。
このイベントは、幅広い年齢層の一般の方々に広く科学に興味を持ってもらうことを目的として、毎年開催しているものです。10月28日に開催した実験教室には60名の小中学生が参加し、2つの実験と4つの体験を行いました。「いろんな体験ができて楽しかった」などの感想が寄せられました。11月25日に開催した講演会には43名の参加がありました。宇根崎博信 複合原子力科学研究所教授による「トリウム -魅力あふれるエネルギー資源とその基礎研究-」と永井康介 東北大学金属材料研究所教授による「陽電子が探る材料の世界 -原子炉材料から光触媒材料まで-」の2つの講演を行い、講演後には活発な質疑応答が行われました。「研究内容に少しふれることで理解が深まった」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。
和歌山研究林 ミニ公開講座 (10月20日(土曜日))
フィールド科学教育研究センター和歌山研究林では、ミニ公開講座を開催しました。
このイベントは、本施設の存在および意義、教育・研究内容を地域を中心とした一般市民の皆さまに知ってもらうことを目的に2015年から開催しているものです。今年は定員を上回る46名の応募があり、当日は21名の参加がありました。当日は、有田川町清水行政局駐車場に集合し、マイクロバスで林内に向かいました。現地では2班に分かれて、研究林教員および技術職員の解説により、主に標高の高い尾根部で自然観察を行いました。参加者は樹木の種名だけでなく、その生息地など生存戦略の多様性や、木材の資源としての利用と課題に関して理解を深めました。参加者からは、「植物の種類を多く知ることができた」、「講師の博学さに感心しました」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。
瀬戸臨海実験所 施設見学会 (10月27日(土曜日))
フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所では、施設見学会を開催しました。
このイベントは、瀬戸臨海実験所を知ってもらうために毎年開催しており、5年前からは実験所が管理する無人島の畠島見学をプログラムに取り入れ、その自然保護について、理解を深めてもらうことも目的にしています。2018年は台風で桟橋が壊れるなどの被害があったため、小型船で運べる少人数で実施することになりました。参加者は、和歌山県内から4名、奈良県・兵庫県から各1名でした。当日は、前日までの雨は止んだものの、9時頃には風速16m/sを超える風が吹き、とても船を出せる海況ではありませんでした。そのため畠島への渡航は断念し、実験所内の見学を中心としました。最初に、「実験所の歴史と活動」、「畠島の自然保護」、「研究船の概略と活動」について講演を行い、その後は、所内の設備や、実験所前の海岸も見学しました。さらに水族館では、飼育の技術職員による概略の説明とともに、バックヤードを見学しました。参加者からは、「天候が悪くて、畠島へ上陸できなかったことは残念だったが、海岸の散策や、水族館のバックヤードなど、日頃見る機会のないものを見れて良かった」などの感想が寄せられました。
白浜海象観測所・潮岬風力実験所 (合同開催)温度計測機器の紹介とデモンストレーション/大気観測の実体験 (10月27日(土曜日))
防災研究所白浜海象観測所は、潮岬風力実験所と合同で公開イベント「温度計測機器の紹介とデモンストレーション/大気観測の実体験」を開催しました。
当日は、和歌山県、大阪府から13名の参加がありました。観測所で実施している温度(水温)計測結果の一部を紹介するとともに、複数の温度センサの紹介や温度センサを使った計測方法について概説を行いました。また、観測所で実際に使用しているデータ収集機器と測温抵抗体、熱電対を接続した計測システムによる温度計測のデモンストレーションを行い、計測部の温度が変化することで、測温抵抗体、熱電対からの出力が変化する様子を紹介しました。参加者からは、「日常的に目にすることの少ない実験内容が多く、このような内容を知ることができ良かったです」などの感想が寄せられました。
徳山試験地 周南市・京都大学フィールド科学教育研究センター連携公開講座 (10月20日(土曜日))
徳山試験地では、周南市との連携で公開講座を開催しました。
参加者は地元周南市のほか光市在住の市民が中心となっており例年リピーターも多いですが、今回は9名の新規参加がありました。年齢層では、60代以上が最も多いですが、10~20代も2名おり、講義や森林観察で活発に質問するなど積極的な様子でした。
本センターの芦生研究林を担当している中川光 助教の「川魚から考える森里海 ~京都府由良川を例にして~」と題した講義に関して、参加者の関心は非常に高く、予定時間を越えて多数の質問がありました。試験地内のヒノキ人工林では、檜皮採取に関する解説を聞き、森林と人間文化のつながりについて思いをはせていました。周南市西緑地(旧徳山試験地)では、地元の「みどりの会11」の山本会長による樹木の解説がありました。故事にも触れた興味深い話に参加者は時間を忘れて聞き入っていました。参加者からは、「専門分野だけでなく森と川のつながりを生態学の立場で、お話いただき、とてもためになった。生物同志のつながりをあらためて見直した」、「日頃小さな自然に触れる事がないのでとても勉強になった。大きな自然の営みの中で生かされていることを学んだ」などの感想が寄せられました。
徳島地すべり観測所 施設公開とジオサイトの野外見学 (10月13日(土曜日))
防災研究所徳島地すべり観測所では、施設公開とジオサイトの野外見学会を開催しました。
このイベントは地域住民に本観測所の役割を伝え、さらに地すべり研究の最前線を知ってもらおうと実施しているものです。2018年は24名の参加がありました。当日は、まず観測所の本館施設において、ドローンの映像や最新の調査機器に実際に触れた後、国内・世界各地の地すべり災害の調査の様子を紹介しました。その後バスに分乗して、観測所の周辺の地すべり地形や断層でできた地形や地質を実際に見学しました。参加者と活発な質疑応答が行われ、「地形を見る目が変わった」、「来年度も参加したい」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。
地球熱学研究施設 施設公開・講演会・ライトアップ (10月26日(金曜日)、10月27日(土曜日))
理学研究科地球熱学研究施設では、10月27日に施設公開と公開講演会を、26日と27日の両日に登録有形文化財建物のライトアップを開催しました。
天気に恵まれ施設公開に105名、公開講演会には高校生3名を含む22名の参加がありました。このイベントは広く一般の方々に当施設への理解と関心を深めていただくことを目的に開催しています。施設公開は3教室と屋外に分かれて、展示や実験などを行いました。展示について積極的に質問する参加者もいて、実験コーナーでは岩石が溶け、マグマのように流れていく様子を観察し、驚嘆の声をあげていました。また、公開講演会では多くの質問があり、熱心に耳を傾けていました。参加者からは、「考えることの難しさを再確認しました。新知見、新しいファクタを考慮すると結論が変わるということを再認識しました」、「知らなかった事を知ることができ、とても楽しかったです」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。
火山研究センター 一般見学会(7月28日(土曜日))
理学研究科火山研究センターでは、一般見学会を開催しました。
この見学会は、京都大学の火山研究に関する成果などを地元に周知することを目的に、センター独自に2001年から行っており、2012年からは京大ウィークスとして開催しています。今年は、京大ウィークス2018期間外の、小中学校の夏休み期間にあたる7月28日に開催しました。112名の参加があり、火山研究の最前線に関する説明に熱心に耳を傾け、ダジックアース、観測機器の実演、マグマや噴火実験などを興味深く観察しました。参加者からは「百聞は一見にしかず。機器を実際見せていただく事で理解が深まりました」、「最新の機器でとてもわかりやすく詳しく説明されてありました。おもしろかったです」などの意見が寄せられました。
幸島観察所 公開講座「幸島ニホンザルの観察会」 (11月18日(日曜日))
野生動物研究センター幸島観察所では「幸島ニホンザルの観察会」を開催しました。
当日は21名の参加者が集まり、午前中は島に渡って解説を交えながらイモ洗い行動の観察を行いました。ニホンザルがイモを洗う様子に参加者は双眼鏡を使って観察していました。また、島内を散策しサルたちが本来生息している環境を観察しました。午後からは技術職員による幸島のニホンザルについての講義、教員によるニホンザルの嗅覚と遺伝子の講義を行いました。参加者はとても熱心で活発な質疑応答が行われ、「想像以上に興味深くおもしろかった」、「美しい自然を見ることができて嬉しかった」などの感想が寄せられました。
宮崎観測所 施設見学・公開講座「見て・聞いて・楽しく学ぼう!」(11月4日(日曜日))
防災研究所宮崎観測所では、施設見学・公開講座「見て・聞いて・楽しく学ぼう!」を開催しました。
宮崎観測所として初開催の一般公開イベントであり、認知度の低さを懸念していましたが、予想を遙かに上回るペースで申し込みがあり、締め切り前に応募を打ち切る事態となりました。最終的に、中学生から最高齢78歳の方まで、37名の参加があり、九州の地殻変動に関するミニ講話のあと、観測坑道や所内の見学、マグマ実験、観測所員や大学院生との交流を通じて地球科学を身近に感じてもらうことができました。参加者からは、「研究施設や観測所の様子、研究内容等を詳しく知ることが出来てよかったです」、「坑道トンネルが思っていたよりも大きく、驚きました。地震について研究するには様々な施設が必要であることがわかりました」などの感想が多く寄せられ、第1回目の一般公開としては大成功のうちに終了しました。
桜島火山観測所 施設探検ツアー・施設公開 (10月27日(土曜日)、28日(日曜日))
防災研究所桜島火山観測所では、施設探検ツアーを開催しました。
本ツアーは、火山観測の最前線を紹介することを目的に、毎年開催しているものです。2日間午前・午後の4回に分けて開催し、合計153名の参加がありました。両日ともに天候に恵まれ、ハルタ山観測室から観た桜島の絶景に参加者は圧倒されていました。また、ハルタ山観測室にある地震計と微気圧計が何十年も稼働しており、現役であることに参加者は驚いていました。高免観測坑道の内部に入っての観測機器と坑道の役割の説明では、参加者から多くの質問がありました。観測中は人が入らない場所だけに、参加者は坑道内で熱心に写真撮影をしていました。ツアーの最後に所内見学を行い、参加者は観測機器や、最近の桜島の火山活動についての解説を熱心に耳を傾けていました。
参加者からは、「鹿児島側からハルタ山観測所は見えているので念願の場所にいけて嬉しかったのが一番です」、「ユーモアあふれるバスでの説明が分かりやすく、火山研究や防災への応用に興味がわきました」などの感想が寄せられ、ツアーは好評のうちに終了しました。