築後100年以上経過し、老朽化が進んだ吉田寮は耐震性を著しく欠いており、吉田寮に居住する学生の安全確保のため、平成29年12月に「吉田寮生の安全確保についての基本方針」を定めました。
「基本方針」では、平成30年4月時点で本学正規学生の学籍を有する吉田寮生のうち希望する者に本学が代替宿舎を用意し、その代替宿舎に現在の寄宿料で居住させることとしており、吉田寮からの速やかな退居を求めているところです。
「基本方針」決定後、すでに多くの学生諸君が吉田寮を退居しましたが、代替宿舎への転居を希望する学生諸君のうち、現在でも100名ほどが転居しておらず、さらに代替宿舎への転居の調査に回答していない学生諸君の多くが吉田寮に居住しています。
そのような状況の中、平成30年6月18日午前7時58分頃に大阪府北部を中心とする最大震度6弱の地震が発生し、本学吉田キャンパス周辺でも震度4が記録されました。本学では、吉田寮を含めて建物の大きな被害が発生しなかったことは、不幸中の幸いでした。
しかし、吉田寮については、大地震による倒壊や大破の危険性が極めて高いことに変わりはありません。否、今回の強い揺れで建物の主要な構造部(柱、梁、屋根)にひび割れやずれが生じていることもありえ、より小規模な地震で被害が拡大するおそれがあり、一方、今回の地震が周辺の活断層の活動にも影響を及ぼすことが考えられるとの見解もあるなど、大学として、吉田寮に居住する学生諸君の安全確保の緊急性がいや増していることを深く憂慮します。
そのため、本日、吉田寮にまだ居住している学生に対して告知を発出し、今回のような大地震がいつ発生してもおかしくないことを真剣に考え、代替宿舎への転居のための手続きを急ぎ、本年9月末を待たず、できるだけ早く退居するよう求めたところです。
本学は、吉田寮に現在居住する総ての学生の早急な安全確保が実現することを願っています。
平成30年6月20日
学生担当理事・副学長 川添信介