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連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」のシリーズ26は、「国際社会の中の日本-世界との関係・日本の現状-」をテーマに京都アカデミアフォーラムin丸の内で開催しました。
シリーズ26の第3回は、「国際貿易と国際政治の交錯」と題し、鈴木基史 公共政策大学院教授が講演を行いました。
鈴木教授は、貿易の自由化がなぜ必要なのか、どのようにして進められてきたのかということをアダム・スミスの国富論や19世紀のイギリスにおける自由貿易政策への転換等を交えて話しました。また、自由貿易の反対の保護貿易にはどのような問題があるのかについても、19世紀から20世紀の欧州の貿易協定ネットワークや関税率の推移、日本の貿易構造を例に挙げて解説しました。そして、世界的な貿易体制(GATT、WTO等)の概要やこのような体制が確立した政治的背景に触れながら、日本や諸外国が自由貿易協定(FTA)を締結する理由等について説明しました。これらを踏まえて、排他的なFTAを抑制し、世界的に連携することで外交対立を緩和することの重要性を述べ、日本は開かれた通商国家として、自国および世界の経済発展と平和に貢献することが必要であると言及しました。
来場者からは、「国際貿易の歴史と今日の話題の概要がよく理解できた」、「WTOやFTAの違いがよく分かっていなかったが、その違いや背景などの理解が進んだ」という感想が寄せられ、国際貿易の知に触れる機会となりました。