藤原幸一 情報学研究科助教が第49回市村学術賞功績賞を受賞し、2017年4月26日に帝国ホテル東京で受賞式が行われました。
同賞は、国内の大学や研究機関において科学技術の進歩、産業の発展に顕著な成果をあげ、学術分野の進展に多大な貢献をした研究者や研究グループに財団法人新技術開発財団より贈呈される伝統ある賞です。
受賞となった研究テーマは「心拍変動解析に基づいたてんかんアラームの開発」です。藤原助教らはてんかん発作の徴候を心拍パターンの変動解析によって監視し予知するアルゴリズムを開発し、このアルゴリズムをスマートフォンアプリに実装し、簡単に着脱できる心拍センサーと連動させて発作の予知を可能にしました。
この装置では発作が起きる1分以上前に発作を予知することができ、てんかん発作に伴う事故を防ぐことが可能です。また、シール状のセンサーは服で隠れる部分に装着するため、日常的に身につけても負担になりにくく、アラームは現在医療機器としての実用化を目指し、臨床現場での検証が続けられています。
なお、宮島美穂 東京医科歯科大学助教、山川俊貴 熊本大学助教らとの共同研究での受賞となりました。
開発したウェアラブルセンサ
関連リンク
- 第49回 市村学術賞 功績賞
http://www.sgkz.or.jp/prize/science/49/document_02.html
書誌情報
【DOI】 https://doi.org/10.1109/TBME.2015.2512276
K. Fujiwara, M. Miyajima, T. Yamakawa, E. Abe, Y. Suzuki, Y. Sawada, M. Kano, T. Maehara, K. Ohta, T. Sasai-Sakuma, T. Sasano, M. Matsuura, and E. Matsushima: Epileptic Seizure Prediction Based on Multivariate Statistical Process Control of Heart Rate Variability Features, IEEE Transactions on Biomedical Engineering, 63, 1321/1332 (2016)