京都大学とタイ王国の共同研究機関との連携を拡張し、協力体制の多様化と強化を図ることを目的に、バンコクとラヨーン県で物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)の主催で京都大学国際シンポジウムを開催しました。
2日のシンポジウムは、ラヨーン県のウィタヤシリメティー科学技術大学院大学(VISTEC)にて開催しました。VISTECとの交流は、2015年4月の同国シリントーン王女のiCeMS訪問を機に始まり、2016年2月には連携協定を締結しています。
午前中にはシリントーン王女と、山極壽一 総長、北川進 iCeMS拠点長との歓談の時間も設けられました。午後は約200名が参加し、「持続可能な将来のための物質材料」をテーマに研究発表が行われました。両国から、エネルギー、マテリアル、エンジニアリング分野において世界の第一線で活躍する研究者らが発表を行いました。
4日は会場をバンコクに移し、「アジアにおける持続可能な社会を目指した画期的研究の最前線」をテーマに京都大学タイ人同窓会の京都ユニオンクラブ(KUC)、キングモンクット工科大学ラカバン校、泰日工業大学と共催し、また、学内からは、医学研究科、地球環境学堂、東南アジア地域研究研究所、エネルギー理工学研究所、ASEAN拠点の協力を得て開催されました。
午前の部では、「サステナビリティ」をキーワードに研究の国際化、人材育成、研究成果の社会実装に関する発表が行われ、山極総長も「世界自然遺産と生物多様性」と題して基調講演を行いました。午後の部は、第5回東南アジアネットワークフォーラム/第23回東南アジアフォーラムの共同開催として、高齢化社会を切り口にさまざまな視点から研究発表が行われました。
終了後には、シンポジウムのレセプションが開催されました。この会は、京都大学同窓会を兼ねて、KUCと在タイ京都大学(日本人)同窓会である百万遍会が共催に加わり開催され、タイにおける京都大学卒業生の交流を一層深める機会となりました。4日のシンポジウムには当初の予定を大幅に上回る約190名が、懇親会には約130名が参加し、盛況のうちに幕を閉じました。