梅雨の晴れ間となった7月初日、京都大学基金「感謝の集い」を開催しました。3回目となる2016年は報告会と講演会、懇親会を開催し、107名の方々に参加いただきました。
報告会では、山極壽一 総長の本学の最新ニュースを交えた挨拶に始まり、大学基金担当の徳賀芳弘 副学長が基金の収支状況や今後の活用計画などを報告しました。その中で、挑戦する学生を応援する新たな支援制度「京大生チャレンジコンテスト(SPEC: Student Projects for Enhancing Creativity)」についても紹介しました。第1回目である2015年度は26件の応募の中から6件が採択され、この日は2件のプロジェクトについて学生らが進捗報告を行いました。学生たちは「皆さまにご支援いただいたおかげ」とお礼を述べたうえで、「世界大会への登録が完了した」、「ツアーの行き先が決まった」といった近況を説明しました。
続く講演会では、森和俊 理学研究科教授が「私の研究者人生と京都大学」と題した講演を行いました。「アメリカのノーベル生理学・医学賞」と呼ばれ米国医学会最高の賞である「アルバート・ラスカー基礎医学研究賞」を2014年に受賞したのをはじめ、2016年の恩賜賞・日本学士院賞など、数々の有名賞の受賞歴を持つ森教授が、研究者としての歩みや、研究テーマである「小胞体ストレス応答」について紹介しました。参加者は熱心に聞き入り、「細胞がタンパク質の異常を検知するために対処法を備えているなんて」と驚きの様子でした。
その後、場所を2階の国際交流ホールに移した懇親会では、山極総長をはじめ本学の理事・副学長等、プロジェクト支援基金に関わる教職員が参加者を迎え、和やかな雰囲気のなか歓談しました。懇親会場には、各プロジェクト支援基金のブースを設け、パンフレットやポスターを設置、スタッフが待機しているブースもあり、研究者や学生が自分たちの活動を紹介するなど、参加者との交流を深めていました。
参加者からは「学生たちの取り組みはユニークで興味深く、応援したくなった」、「京大が基金を活用して、これからどんなことを始めるのか注目したい」といった声がありました。
感謝の集いは、日頃、本学を支援いただいている方々に直接謝意をお伝えすると同時に、京都大学が目指す姿や取り組み、京都大学基金の活用の仕方などを示す場でもあります。そのビジョンに対する意見をしかと受け止めながら、京都大学基金は本学の発展の礎として歩みを進めていきます。
今後も京都大学基金の一層のご支援をよろしくお願いします。