「対立を乗り越える心と実践-偏見や差別はなくすことができるのか?できるとすればそれは何か。-」をテーマに「品川de秋の大学トーク」を東京オフィスにて開催しました。
これは、大学の教育・研究の成果を広く一般の方々と共有することを目的として、最新の研究成果を書籍の形で社会に発信している京都大学学術出版会や大学出版部協会等との共催により、講演と討論の形で実施したもので、約70名の方に参加いただきました。
前半は、栗田季佳 三重大学教育学部専任講師が、本学教育学研究科での博士取得研究に基づき「見えない偏見-障害者を取り巻く問題に現れる心の動き-」と題して、ラベリングで判断が変わることや、他者よりも自己を評価するといったことを例にあげ、心理学の観点から講演を行いました。続いて、星加良司 東京大学教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター専任講師が「バリアフリーという挑戦-「社会を変える」ことは可能か-」と題して、社会との接続といった幅広い障害学の観点から講演を行いました。
後半は、岡原正幸 慶應義塾大学文学部教授が「「生きることを調べる」を生きるとは」と題して、そもそも対立とは何か、公私の区別といった問題提起を示しながら、栗田講師、星加講師の講演の総括を行いました。その後、岡原教授がコーディネーターとなり、「対立を乗り越える大学の挑戦」をテーマに、正しさをどのように定義するのか、障害者としてラベルしないためにはどうすればよいかといった参加者からの質問を取り上げ、活発な意見交換が行われました。