全学共通科目(2015年度前期)「生物学のフロンティア」が終了しました。(2015年7月23日)

公開日

本講義は阿形清和 理学研究科教授および高橋淑子 同教授が中心となって企画した新たな試みで、新入生向けに山極壽一 総長をはじめ、山中伸弥 iPS細胞研究所長、中野伸一 生態学研究センター長、小柳義夫 ウイルス研究所長等、26名の第一線の研究者によるリレー講義を行いました。

このたび、全講義が終了したことにともない、本企画者の一人である阿形教授のコメントを以下の通りお知らせします。

「生物学のフロンティア」狙いは成功したのか?

理学研究科 教授 阿形清和

平成28年度から予定されている国際高等教育院による教養・共通教育の全面的見直しに先行する形で、今年度から「生物学のフロンティア」なる新規講義を全学共通科目として開講した。一番の狙いは、新入生が「単位のために講義を受ける」という風潮が身につく前に、京都大学に入るとこんなワクワクした講義を受けられるんだ、やはり高校の講義とは違うなと感じてもらう講義を提供することで、「面白いと思ったら自分で勉強する」心に火をつけることにある。最初の講義の時に、「単位を取るために講義を受けてもつまらないだけだから、講義で「面白い」をみつけよう」と学生に呼びかけた。この趣旨に賛同してくれた教員を集めて、3限は高橋淑子(副は影山龍一郎)教員、4限を阿形(副は上村匡教員)が、コーディネーターとして毎回出席することで、14名ずつの教員による豪華絢爛なリレー講義を組んだ。もちろん、山極壽一 総長、山中伸弥 iPS細胞研究所長からも快諾をもらい、文系を含む多くの学生に京都大学の新たな試みを楽しんでもらうことに成功した。また、15分を残して話を終えるようにしてもらい、怖いもの知らずの新入生から臆することなく質問をもらう方式も当たり、熱心に聞き・熱く語り合う風潮ができたのも大きな成果だ。聞く側も、話す側も楽しそうなのを見ると、準備にかけた2年の苦労も報われる(多くの国際高等教育院関係者に感謝)。全学共通科目に対するイメージチェンジを期待したい。

稲葉カヨ 理事・副学長(2014年ロレアル-ユネスコ女性科学賞受賞)による講義「自然免疫を考える」

山極壽一 総長による講義「霊長類の行動観察から人類の進化を紐解く」

山中伸弥 iPS細胞研究所長(2012年ノーベル生理学・医学賞受賞)による講義「iPS細胞の樹立と再生医療」

森和俊 理学研究科教授(2014年ラスカー賞受賞)による講義「タンパク質の品質を管理する細胞応答」

授業の様子