生存圏研究所と三菱電機株式会社は、共同で開発を進め、1984年に完成した世界初のアクティブ・フェーズド・アレイ方式の大気レーダー「MUレーダー」が、大気科学やレーダー技術の発展に大きく貢献したとして、IEEE主催の「IEEEマイルストーン」に認定されました。
それに伴い、5月13日(水曜日)に芝蘭会館において受賞記念式典を、その後、生存圏研究所信楽MU観測所において除幕式を挙行しました。
このMUレーダーは、コンピューター制御でレーダービームを全方位に、最短400μsの高速で走査しながら高度数百kmまでの大気の動きをリアルタイムに観測できる世界一高性能な大気レーダーです。共同利用施設として、全国の大学・研究機関の研究者へ解放され、超高層物理学、気象学、天文学、電気・電子工学、宇宙物理学など広範な分野に渡る多くの研究成果を生み出すなど、大気科学、レーダー技術の発展に大きく貢献してきました。
本学が「IEEEマイルストーン」の認定を受けるのは今回が初めてです。
「IEEE」および「IEEEマイルストーン」について
IEEE(The Institute of Electrical and Electronic Engineers)は、AIEE(American Institute of Electrical Engineers:1884創立の米国電気学会)とIRE(Institute of Radio Engineers:1912年創立の無線学会)が1963年に合併した電気・電子・情報・通信分野の世界最大の学会です。本部はアメリカにあり、世界190ヵ国以上に42万人を超える会員を擁しています(2012年末時点)。わが国の会員数は1万4,298人(2014年11月時点)です。
「IEEEマイルストーン」は、電気・電子・情報・通信分野において達成された画期的なイノベーションの中で、開発から少なくとも25年以上経過し、地域社会や産業の発展に多大な貢献をしたと認定される歴史的業績を表彰する制度として1983年に創設されました。