教育学研究科附属臨床教育実践研究センター公開講座「創造性と心の発達」を開催しました。(2014年10月19日)

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臨床教育実践研究センターでは、毎年、深刻化する教育問題への取り組みの一環として、現代人のこころの理解に主眼をおいた公開講座を開催しています。

2014年度は、精神分析家のインゲ・ワイズ(Inge Wise) 臨床教育実践研究センター客員教授を講師として、百周年時計台記念館国際交流ホール I で行い、心理臨床家や医師、教育関係者、学生など約50名が参加しました。

講演では、精神分析実践において創造性がどのような形で現れ、いかに治療的に重要な役割を果たすかについて、ワイズ客員教授の精神分析の実践例を通して語り、また、創造性の獲得が人間の心の発達において、いかに本質的で重要かということについても解説しました。更に、こうした創造性と、たとえば日本の寺社仏閣の庭園にみられるような、芸術的な創造性との関連についての話もありました。指定討論においては、精神分析や心理療法における治療者と患者の関係性について創造性の観点から議論し、また脳の機能と創造性の関連についても触れました。

精神分析実践の経験が豊富な講師の語り口に接した参加者からは、「人間の心や生活にとって創造性がいかに大切か分かった」、「自分の普段の臨床実践についても、創造性という観点から理解を深めることができた」などの感想が寄せられ、貴重な機会となりました。

本講座は例年参加者から大変好評を得ており、2015年度以降も、現代社会の複雑なこころの問題を理解するための視点を一般市民に向けて広く提供できる場となるよう開催していく予定です。

熱心に耳を傾ける受講者