「短期SENDプログラム」の一環として、本学から「ベトナム社会科学院・ハノイ国家大学サマースクール」に7名の学生と1名の特別研究員が参加しました。2週間の派遣で、ベトナム語・ベトナム文化についての講義を受講するとともに、ハノイ国家大学(外国語大学・人文社会科学大学)でベトナム人学生との日本語・日本文化についての相互学習(共同発表)を行いました。また、チャンアン(Trang An)、ドンラム村(Duong Lam Village)で実地研修を行い、ベトナム文化に関する認識を深めました。
2週間の研修を通じて、ベトナムの文化を理解することはもちろんのこと、日本とベトナムの未来を担う世代が出会い、共に時間を過ごし、議論を深めることにより、将来につながる絆を強める機会となりました。現地で得た経験や文化に対する理解をさらに発展させ、また現地学生たちとの信頼関係を今後一層深めていくことが期待されます。
参加学生の報告
ベトナム社会科学院・ハノイ国家大学サマースクール 副班長
経済学部 学部4回生
黒田淳也
報告会実施日:2014年10月10日(金曜日)
ベトナムで過ごした二週間。多くのことを学び、多くのことを感じ、一生忘れることのできない二週間となりました。
その二週間の間に様々な場所を訪れ、さまざまな人に出会うなかで、特に印象に残ったことが二つあります。一つ目は、彼らの他国に対する考え方です。かつてフランスの植民地だったベトナムですがそのフランスに対して多くの人が好意的な印象を持っていることには驚きました。その裏返しに、現在進行形で問題を抱える隣接国に対しては否定的な印象を抱いている人が多いのも事実です。これらの認識のあり方は大変興味深いと感じました。もう一つは、恥を忍んで言いますが、ベトナム人学生に比べ、私たちが自国のことを知らなすぎたということです。ハノイ国家大学の学生たちはベトナムに関する疑問・質問に的確に答えてくれましたが、一方の私たちはそうはいかないことが何度もありました。例えば、日本にある世界遺産の登録数や日本の男女平等に関する考え方が変わりつつあるのはなぜか、といったことです。日本人であるのに日本のことを知らないという事実に気づかされ、恥ずかしさを覚えると共に、さらに日本のことを知りたい、知らなくてはならない、と感じました。これからの生活の中で、日本について知り、それを発信していきたいと思います。
これらのことを感じられたのも、直接現地の人と一緒に学び、遊び、語り合ったからであり、今後も積極的にこのような機会を創りだしていきたいです。今回の研修で多くのものを得ましたが、そのなかでも現地の学生との友情はものすごく大事な宝物となりました。これだけ仲良くなれたのは本当に幸せなことであり、今後も一生連絡を取り続けていきたいです。日本とベトナムで離ればなれになってしまいますが、これからもこの宝物を大事にしていきたいです。
短期SEND(Student Exchange -Nippon Discovery)プログラムについて
SENDプログラムとは、日本とASEANを始めとする世界各地との架け橋となるエキスパート人材の育成を目指す事業です。派遣学生は現地の言語や文化を学習するとともに、日本語指導支援や日本文化の紹介活動を行います。これらの活動を通じて、海外の学生に日本への関心を強めてもらうと同時に、世界に雄飛する日本として誇れる人材の育成を目指し、次世代における相互の信頼感を醸成することを主たる目的としています。
2014年度は、「大学の世界展開力強化事業-ASEAN諸国等との大学間交流形成支援-「開かれたASEAN+6」による日本再発見-SENDを核とした国際連携人材育成」およびJASSO奨学金(重点政策枠)の支援を受けて行っています。