「平成26年度大学間学生交流協定による短期留学プログラム(通称:東アジア短期留学プログラム)」の一環として、西安交通大学サマースクールを実施し、文理を問わず多様な専門分野を持つ6名の学生が参加しました。本プログラムは、西安交通大学との大学間学生交流協定に基づいて、カリキュラムの開発、緊急時の対応など、西安交通大学の全学的な協力を得て実施されています。
西安交通大学教員による中国語講座、文化、歴史等に関する特別講座、華清池、西安城壁、回民街(イスラムを信仰する回民族の街)の見学など、多彩な内容が提供されました。また多くの西安交通大学学生ボランティアはアシスタントとしてプログラムに参加し、生活、見学、学習などについて本学学生を全面的にサポートしました。学生同士で色々なことについて意見交流し、相互理解を深めました。
参加学生の報告
西安交通大学サマースクール 班長
理学部4回生 奥野尭也
報告会実施日: 2014年9月30日(火曜日)
2014年は6名の参加者でした。2013年より長い13日間を西安交通大学で過ごしました。講義や観光はもちろん楽しかったですが、いちばんの収穫は、現地の学生と仲良くなれたことだと思います。
中国語の講義は言語の訓練だけではなく、中国の社会や西安の特色を紹介するという内容も多くありました。私は中国語初心者でしたが、初心者でも親しみやすくて聞いていて楽しいものでした。ほかに、「国破れて山河あり」で始まる杜甫の有名な漢詩「春望」を中国語で発音しようという「漢詩」の授業、国際大会で活躍する西安交通大学の学生に二十四式太極拳の型を一通り教わるといった、中国文化を肌で感じられる講義もありました。
西安は面白い街でした。昔の長安(前漢から唐までの都)だったこの地は、隣に咸陽(秦の都)があり、非常に古くからの遺物が数多く残っています。市内には兵馬俑(秦始皇帝の墓を守る陶人形)、華清池(楊貴妃が入ったと伝わる温泉がある)、城壁(明代に建造。周囲14kmの巨大な石壁)などがあり、この街は、ほかにも回民街を持つなど、多彩な側面を持っています。見学にはとても充実した街でした。
授業よりも観光よりも価値ある経験だったのは、現地の学生との交流であったと感じています。西安交通大学の学生たちは我々を心から歓迎してくれ、サポートをしてくれました。学生たちと話して一番強く感じたのは、日本人も中国人も、同じ人間だということです。互いに共感しあえる人間同士であることに気づかされました。ニュースを通して持っていた「中国人」というイメージが崩れて、新鮮な印象を持ち、感動しました。
本当の意味での国際理解は、こういう人間レべルで理解しあうことだと思います。日本にいてメディアに接しているだけでは決して出会えない気づきを得たことは、何よりもこの留学の収穫であったと思います。
「大学間学生交流協定による短期留学プログラム(通称:東アジア短期留学プログラム)」について
本学では、本学学生が各国の大学生との交流を深め、国際性を涵養し、外国語運用能力を向上させる機会として、「大学間学生交流協定による短期留学プログラム」を、年間7プログラム実施しています。本プログラムは、本学と派遣先大学との大学間学生交流協定に基づき、原則として学費免除で行われ、派遣された本学学生は、交換留学生と同等の身分で受け入れられます。平成26年度は、「大学の世界展開力強化事業 -ASEAN諸国等との大学間交流形成支援-「開かれたASEAN+6」による日本再発見 -SENDを核とした国際連携人材育成」、JASSO奨学金(重点政策枠)および「京都大学若手研究者海外派遣事業 ジョン万プログラム」の支援を受けて行われています。