森和俊 理学研究科教授がラスカー授賞式に出席しました。(2014年9月19日)

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森和俊 理学研究科教授が米国ニューヨークで開かれたラスカー賞授賞式に出席しました。基礎医学賞を共同で受賞した森教授と米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校のピーター・ウォルター教授には、アルバート・メアリー・ラスカー財団より記念のトロフィーが贈られました。

両教授は、細胞内に不良品タンパク質がたまるのを防ぐ仕組み「小胞体ストレス応答(UPR)」を解明した功績により、同賞を授与されました。不良品タンパク質は、糖尿病やパーキンソン病などに深い関わりがあるとされる事から、UPRはそうした難病の治療法の開発に寄与することが期待されています。

同賞が1945年に設立されて以来、基礎医学部門の受賞者149人のうち74人がノーベル賞を受賞しています。日本人のラスカー受賞者は森教授を含め7人で、うち5人を京都大学が輩出しています(※1)。

森教授とウォルター教授は、UPR研究の功績により、ショウ賞(2014年)にも選ばれた他、カナダガードナー国際賞(2009年)を山中伸弥 現iPS細胞研究所長と同時に受賞しています(※2)。

授賞式で森教授は「研究人生の方向性を変えるような、大きな出会いが沢山あった」とし、日米の関係各位への感謝の念を述べました。

森教授は、中でも象徴的なものとして挙げた三つについて「一つ目は、京都大学1年生の時に分子生物学に出会い、紆余曲折はあったものの、テキサス大学メリージェーン・ゲティング先生とジョー・サムブルック先生の下で、分子生物学の研究を開始できたこと。二つ目は、同じくテキサス大学での、UPRとの出会い。三つ目は、帰国後に株式会社エイチ・エス・ピー研究所で、ウイルス研究所を退官された由良隆先生のご指導を受け私が着想した、遺伝子クローニング技術ワン・ハイブリッド法との出会い。私にとって、これは日本版アメリカン・ドリームとでも言うべきものだった」とし、改めて関係各位への謝意を表した上で、受賞スピーチを締めくくりました。


ラスカー基礎医学賞のトロフィーを授与された森教授(左)とウォルター教授(右)

受賞スピーチをする森教授

左から、ウィラード・オーバーロック ラスカー財団理事長、ウォルター教授、クレア・ポメロイ 同財団会長、森教授

授賞式前の昼食会の様子

授賞式の会場の様子

注釈・関連リンク

※1
花房秀三郎氏(1982年受賞)、利根川進氏*(1987年受賞)、西塚泰美氏*(1989年受賞)、増井禎夫氏*(1998年受賞)、遠藤章氏(2008年受賞)、山中伸弥氏*(2009年受賞)、森和俊氏*(2014年受賞)
*京都大学関係者(卒業生、教員)

※2
京都大学ホームページ「森和俊 大学院理学研究科教授、山中伸弥 物質-細胞統合システム拠点iPS細胞研究センター長がガードナー国際賞を受賞」
http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news7/2008/090331_1.htm